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ゆめうつつに、
貴方の腕が私を燃やす
貴方の熱が私を殺す
暗がりでは何も見えないから
それでいいの
いいのよ、
私はゆめだけで満足するわ
だから貴方は、安心してお帰り
貴方のうつつ ....
一瞬より長い。
でも永遠より短い。
何年経っても
きっとずっと忘れない、
そんな夏の思い出がある。
薄明かるい、白んだ灰色のフロアで、その右手前にひとつの白い影がある。
まるで皿の上にくしゃりと放り出されたナプキンのように、その少女は打ち捨てられていた。
ひしゃげたように張り付きうつ伏せて、彼女 ....
剥がれかけた真珠色のマニキュアに、
今しがた離れた故郷を思う
懐郷病にかかった猫。
何も言えず、
何も訊けず、
うるさい うるさいと耳を塞ぎ、
こうして私は朽ちていくのだろう。
踏み出すのが怖かった。
真っ逆さまに 墜ちてしまいそうで。