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ものも言わず恋をひと皿たいらげて幼い瞳で匙を噛むひと
顔彩で頬をよごして雨のバス違う生き物のふりして座る
「食べにくいけれど どうぞ」
そう云って彼女がくれたのは恋心だった
善悪を知る実のパイかな
僕の朝食に間に合うように
夜明け前からオーブンを温める彼女がありありと浮かぶ
切り分けた果実を ....
雨の子になってみたいな 魂が渇くことなく笑えるでしょう
レインツリー 逃げ込んだなら枝の下 母に似た君に会える気がする
さぼてんが奏でる音色レインスティック 何かと問う声ふるえは止まず
....
原初の苑でヒトがたべた最初の有害物質 林檎
今 やさしくすりおろされて
病むおさなごのくちびるを癒す
有毒の糧の二つ名はなあに?
蜜をひそめ 彼女はうるんだ声でまろやかに笑う。