すべてのおすすめ
二回続きのトラブルで
虹色魚は姿を見せず
仕掛けを作る夕方に
二コリと頬笑む
捕らぬ狸の皮算用
人間
石
空気
水
原子
あらゆる物質は素粒子から出来ている
素粒子は刹那に生生流転を繰り返し
留まることを知らない
星々の寿命は100億年と言われ
人は100年程度
どうせ生きる ....
今朝四時に家を出て奥多摩に車を走らせた
途中コンビニで珈琲とツナマヨ玉子サンドと
コロッケパンを買い
緑に染まる渓谷を目指した
駐車場で支度をして万全の用意をした
アスファルトの坂道を下ると ....
新緑の渓に分け入ると
この姿は透明になってしまい
緑色に染まっていった
宝石の魚はピシャリと跳ねて
日々の雑踏が彼方に消える
五月の風に若葉が揺れて
透明な渓谷が呼んでいる
虹色と真珠の魚を求めて
静かな胸の鼓動が高鳴り
ニンフが舞う水面を想う
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も ....
漆黒の夜に紛れて
琥珀の水を飲みほし
酔いにまかせては
星めぐりの歌をくちずさみ
幼い頃の純潔を想い出す
☆
プレアデス星団に憧れて
透明な ....
黒曜の空のもと
琥珀の水に彷徨いながら
美しいと思った数式を描いてみた
いくら計算しても解らない数字
陰陽の間に居座る零の秘密に戸惑う
在るようで無く
無いようで在る
摩訶不思議な仮定が ....
生まれてしまった悲しみは
届かぬ虹の黄金郷
車を飛ばして追いかけて
触れることさえできなくて
やがては闇に逃れゆく
あり得ない夢は捨ててしまおう
この世に生まれた歓びは
見えない糸で ....
ネオンの滲む街角で
ウオッカを飲み干し
潰れた夜
ぼくは路上の水溜まりで朝を迎えた
ネットの噂では
きみはいまでもピアノを弾いているらしい
解ろうとして解らなかったあの日
手 ....
私の住む町の人口は約34万人だけれど
これといって美味い店が無い
チェーン店ばかりが眼につく
首都圏のベッドタウンなので仕方がないのかもしれない
分譲団地の隣には武蔵野の森があって
朝は ....
オランダシシガシラかバラタナゴを飼いたくて
90㎝の水槽とろ過器と特注の水槽台を買って
もう8年が過ぎる
書籍を紐解いて
生き物を飼うのが難しいと知り
水槽は未開封のままだ
趣味を極めよう ....
私は極度の不眠症と拒食症、逆流性食道炎、低血圧、貧血、アレルギー性鼻炎
イフェクサー3カプセル、オランザピン2錠、ミルタザピン3錠、
ビプレッソ2錠、エスゾピクロン1錠、クアゼパム2錠、セパゾ ....
ヨーソロー!
船長は親指を立て
一等航海士が叫んだ
帆は満帆に張られ船が動き出した
エルドラドを求めての出航だ
羅針盤は東の大洋を指し示し
北極星は正確に北に輝いている
オレが航海に ....
月の鏡に照らされ
レタスの葉が芽吹き
南の風に若葉が揺れる
星は流れ去り
明日の夢を見る
ズンチャ ズズンチャ
ズンチャ ズズンチャ
ハナノイロハ
ウツリニケリナ
イタズラニ
ワガミヨニフル
....
盲目の身をたずさえ
漂泊の旅路を重ね往く
想い出の月を歌い
泉にくちづけ
明日を夢みる
23年前に胃を失くし
いまは日に1リットルの牛乳を飲み
アイス珈琲を5杯飲んで
ウイスキーの水割りを4杯飲む
水は飲まない
前世の因縁なのか
食事は幼稚園の子供くらい食べ
美味い ....
人は主に
酸素・炭素・水素・窒素・カルシウムといった
元素から構成されている
突き詰めるなら素粒子から成り立っているのだ
魂という計量できないアルモノに呼ばれて
それが複雑に絡み合い言葉 ....
おはよう
こんにちは
こんばんは
おやすみなさい
いただきます
ごちそうさま
ありがとう
そんな言葉を素直に言えたなら
争いなどは無いはずだ
人類が生まれて500万年だと言われて ....
幼い頃は骨格模型が怖くて
理科室に入ることが嫌だった
火葬場という言葉も怖かった
今年はオーバードーズで逝ったきみと
幼なじみの岳父を弔って
真白い骨を拾った
そしてまた
父母と ....
木々の若葉は風に揺れながら
五月の歌をうたい
雲は羊たちのように
西から東に駆けていく
ぼくはクスノキのブランコに揺られ
港に浮かぶ洋紅色の貨物船を眺めていた
きみはマーガレッ ....
もしも私に星の欠片をくれるなら
ピチピチ パチパチ
美味しいソーダ水を差し上げましょう
もしも私に紅い花束をくれるなら
シャラリ サンサン
揺れる{ルビ簪=かんざし}を差し上げましょう ....
私という存在は
銀河の端に灯る刹那の光なのです
それ以上でもなく
それ以下でもない
巡る季節に酔いながら
下手な歌をうたいます
誰かに届くように
誰かに問い続けるように
私 ....
風に吹かれて
彷徨う路は
振り返ると既に消えている
星々を眺めていても
狂った軌道を示しているだけで
お似合いの月と鏡はひそかに話し
ぼくを騙そうとしていた
時計の針は止まり
星の降る ....
暗い夜の森の中
オレンジ色の光が窓から漏れている
そこはカフェだった
老女が注文を取りにくると
ぼくは珈琲とザッハトルテを頼んだ
しばらくすると老女はウイスキーのロックを持って来た
....
樹齢300年を超える美しい欅の一枚板を手に入れた
奥行70cm 幅120cm 暑さ3cmの文机にしようと決めた
木工職人に仕立てて貰い
砥の粉を塗り込め1000番のサンドペーパーで磨き
....
今朝はメジロの歌声で起こされた
そのソプラノが心地良かった
たぶん桜の蜜を啜っているのだろう
ぼくは苦い珈琲が好きだから
きみとは仲良くできないかもしれないけれど
明日の朝も
その歌声 ....
きみがいない間
ぼくは代わりに
盆栽の水遣りをした
欅の古木に
きみは延寿という名を付け
大切に育てていた
細かな若葉を季節通りに芽吹かせ
今年も元気だよと
ぼくに告げた
....
きみの純潔は
透明な水晶のようで
とても傷つきやすかった
ぼくという毒薬を飲み込んでは
嘔吐を繰り返し
それでもぼくに優しさをくれた
十五年という歳月は白色矮星よりも重い
風 ....
1 2 3 4 5 6 7 8