すべてのおすすめ
思い出に、ゆかたの君が見たいだけ箱根温泉ゆあたりに風
きっかけがどこにあるのかわからない花火轟くまでの沈黙
ぎゅっと手を握る二人は蚊帳の中 外のすべてが愛しく見える
小学生み ....
漠然と自問自答が煮詰まれば頭がなぞるチェーンステッチ
ひとりでは出せない答え 明け方に鳥はどうして西へゆくのか
鱗粉を 撒く蝶々を 姉が追い「もう帰ろうよ」「行かないでよ」 ねぇ
死してなほ国歌と定めし売女を罵った兄 頬の引き攣れ
抗菌の ボールペン握り 立ち尽くす 書くこと以上の理由を ....
炎抱き天に向かって捧げんと燃えて散りゆく桜木並木
ただ青いただただ青い空に合う赤を散らせて木枯らしが吹く
舞い落ちる火の粉に巻かれここでなら秘めた想いを一人言ちても
振るうこの葉の数 ....
{ルビ吾=あ}の胸を刺した蜜蜂命絶え痛み残してポトリと落つる
もしかして君は誰かの化身かといぶかしんでる薬塗りつつ
あの刹那君は死んでもよかったと思えたのかと傷跡に問う
もう一度刺さ ....
あ行
足音が遠ざかってゆく朝8時、きみは出かける わたしを置いて
今までと変わらぬようにこれからが続いてゆくか冬空に訊く
「うん、うん。あぁ」電話の先にいるひとと、なに話してる?その ....
父に宛てて
父からの京都土産の{ルビ簪=かんざし}をさすこともなく歳を重ねて
破天荒。こんな娘に誰がした?苦笑しつつも宝だという
「もし人を殴るとしたら親指は内に握るな折れたら困 ....
2階建て、駅徒歩5分、良物件。ふたりの日々をここで始める
とりあえず引越しソバは大事だと取り急ぎ湯を、みどりのたぬき
少しだけ心細いねまるでここ ふたり閉じ込められたかのよう
未来へ ....
大量のオカユを入れた片手鍋、歩いてウチまで持ってきた君
「たまご粥、食べると風邪が治るって」それだけ言って帰ってく君
鍋を持ち夜道を歩く大男、思い浮かべて涙が出そう
ありがとう。もう ....