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恋い憂い
慣れた瞼に引く線を
やらかくなったと
母が微笑む
小春日の
朝その記憶胸に秘め
ともに嫁いだ三面鏡と
恋い憂い
朱をさす頬に
触れてみる
秘事は睫毛の
....
雪の聲がした。
急いで玄関に出てみると
吐息が 曇天を埋めるように、
真綿のような牡丹雪が
くるくる廻りながら白く染めていく。
庭先の物干し台を。
ヤツデの木を。
向かいの家々の屋根を、白く ....
いってらっしゃい、と
みおくる
いとしいひと
あなたをおもう
そうして
かさをほします
さんがつのゆきは
ひがゆるむまでに
きえてしまう
あかし を おる
しろい ....