寝る前に 歯を磨く
やっぱり「恋」なんてものは 男よりも女のほうが似合うものだと
鏡の中で 奥歯を磨く自分を見て思った
ふたりいっ ....
家族で豪華な料理を
食べに行った
お父さんとお母さんは
とても満足そうだったけど
ぼくは
おしゃべりしながら
家族みんなで分担して作った
カレーライスの方が
美味しいと思った
家 ....
夕暮れの示す赤、に
静かな夜が
そうっと足を
降ろす
生まれたばかりの
一筋の淡い青は
瞬間的に広がってゆき
世界を、ふわり
包んでしまう
ビルの窓に反射する
車 ....
荒野だと思えば
ここはそんなところだ
悲しみは哀しみに
それが営みというものだ
ひとりではないのに
ひとりに酔いしれ
それが生身であるということだ
七月の ....
空 海 山 風 水 土
どんなに沢山の言葉をならべてみたって
一文字に思い浮かべるイメージに勝てやしない
解ってるけど
決して止められない
伝えたいのは景色じゃなく感動
....
困っている人がいれば
それがその人にとって必要ならば
助けてあげよう
哀しんでいる人がいれば
それが反省しているならば
慰めてあげよう
寂しがっている人がいれば
....
五線譜に引っかかっている
音符をひとつ
つかんで
鍵盤に落としてみた
小さく高く弾んで
涙のしずくに
変わってしまった
やさしく
なにか語ってくれると
思ったのに
....
燃え上がる恋を吹き消した
君の冷たい言葉
君の冷たい態度
それでも再び燃え上がる恋
片想いでもいいよ
ほたるがりしたら
おりひめとひこぼしをつかまえちゃった
うちではかえません
とママの怖い顔
しかたがないから
どうぶつえんにあげた
来園者数はうなぎのぼりで
....
幼い頃は不遇だった
両親は不仲でケンカばかりしてた
僕がその場を和らげることが使命だと思ってた
母は父への不満を僕にぶつけ
僕は妹や弟の不満のはけ口になり
わざとゲームで負け ....
頭は低く
心は高く
手足は動かす
心は動かず
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく
遠い昔の夏の夜
二人で ....
何も、考えたくなくなるときがある。
貴方を、思い出すとき。
あの七夕の夜。
恋人だった貴方は、遠いところに行ってしまった。
もう、何年も、逢ってない。
連絡も取れず、ずっと一人だ。
....
あちらに見えますのは
地球が壊れてゆくさまです
今宵のゲストは
火星人の皆様です
僕らは止まっている
先へ進んでいるように見える原因は
地面ごと
動いているからなのだ
水た ....
おやつを我慢しては 花火を買った
刹那の輝き 一瞬の煌めき
向日葵が枯れ始め 陽が落ちるのが早くなり
セミの声がヒグラシに変わる
緑の山も夕焼け色に 少しずつ染まっていく
「 ....
お前のやはらかさに埋もれて死にゆくなら
それでも良いなと
硝子越しに
笑う人間らしい貴方
ただ揺られて生きるのみのわたくしなどは
あすはるとでは
直立できないと言うのに
見つ ....
人はどうしてこんなにも
寂しさ感じてしまうのだろう?
私が知っている限り
独りの人はどこにもいない
なのにどうして人はみな
寂しさ感じてしまうのだろう?
孤独であることどうして怖い?
....
流れ流れて
何処へ行く
ふわり、その瞳で
何を見た
出逢いて何を
思うのか
あてなき旅路
続けては
忘れえぬもの
また増える
....
月の裏側が見たいと
弟が呟いた
瞳はもう
赤方偏移を繰っているように
白兎を歌って
憧れと諦めをわたしに託して
弟はもう
腐りかけた足で
旅に出ていた
痛々しいほどに頑張りす ....
明日にはどうなるか
わからない世界に
生きている
活きていきたい
無駄にはしない
今日の空
今日の風
今日の夢
今日の君
今日の僕
大切 ....
ほんとうのことは
今俺がお前の中にいること
どれほど身体すり減らしているのか
知りながらお前は綺麗な眉をひそめて
お前の中の俺を撃ちつづける
挟まったフライドチキンを爪楊枝で遊ぶ
この ....
私だってね
私なりにね
考えているんだよ。
このチクチクした頭をね
もう必要としないなんてね
ひどい話だよ。
なんだかね、
頭から否定されてね
じゃあ私は何なんだよ。
じゃあ私は ....
愛してる
愛してる
愛してる・・・
永遠に繰り返したって、答えなんて出ないよ
知ってるでしょう?
問題は、そこにないから
季節が変わり、夏が近づいて
煌くような毎日を過ご ....
私は林檎。
林檎は落ちた。
恋に落ちた。
ニュートンさん
私も疑問に思います。
何故
林檎は落ちるのでしょう?
落ちた私は
....
誰が決めるのか
人生には勝ち組と負け組と
そんなのがあるらしい
私は何組でもいいけど
可愛いおばあちゃんになれたら
それがなによりだなぁって
そう思う今日この頃 ....
一輪の花が咲いている。
この子は私、頑張る私。
風に吹かれても人に踏まれても、
それでもめぜずに咲き続けようとする。
この子は私、
頑張っている・・・私。
ガタン、ゴトン
朝の満員電車の中で
整然と並んだ大人の人たちが
揺られています
吊り革につかまっている人たちが
各々の吊り革を
舐め回すようにじっくりと
見ています
....
すやすやと
安らかな寝息を立てる
ちいさなちいさな背中
このちいさな背中に
どれだけの重荷を
背負わせてしまったんだろう
たくさんの痛みに耐えて ....
プレゼント用ですか?
って聞かれたそれ
ノーと答える勇気はない
綺麗に包まれた四角い箱は
自分用
無意味なラッピングを剥がす
自分で自分に
贈り物をしたみたいで
歯がゆい
....
含んで、しまえば
丸くなるよ
抱き締めれば
角は、
取れて行く
そうやって地球は
丸く、なったよ
そうして世界は
愛を、見つけたよ
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