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海の底の火のような
風を花を歩むとき
わたしの横をすぎるひとが
空を指しては歌いはじめる
異なる時間が沈む草地に
生まれておいで 生まれておいでと
解けのこる雪 ....
戸口に見えない花がいて
あわてて扉をあける夢を
幾度も幾度も見たあとに
切り忘れた爪を思い出す
床に置かれた硝子の内には
水の影が流れている
割れた鏡に映る横顔
....
この道は誰が奏でる笛なのかさみしいばかりかなしいばかり
雲のない空を見上げて歩きゆく光を知らぬ光の穂の道
はたはたと星をつかんだ曲がりかど野をわたる声ふりかえ ....