すべてのおすすめ
私は今まで通り過ぎて来た
広大な荒地の上に黒い血を吐いた
無数の遺体の傍らを

倒れかけた木造の家の
ベランダに干されたシャツが
突風に身をよじらせ
空に飛んでいく様を見ては
鈍い心 ....
夜の浜辺で一人
寂しい叫びを{ルビ宇宙=そら}に放り投げる

震える声は
一枚の手紙となって、舞い上がり
静かな波の唸りの上を、舞い上がり
海の{ルビ面=も}の、
月の光の道の上を、舞い ....
雨にうすく濡れた歩道の中心に
盲人用の黄色い凸凸道が
遠くへと敷かれている

いつもそ知らぬ顔で歩いていたが
凸凸道を求めているのは
よろけた歩みで目線の定まらない自分だった

黒いこ ....
さびしさに
ひざをかかえて
タオルケットははいだまま
「る」の字でねむる

あの{ルビ娘=こ}は今頃
遠い空の下
今夜も誰かに抱かれて
求めあう「る」と「る」を
くみあわせてる

 ....
魚骨堂さんの服部 剛さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時の無い都市- 服部 剛自由詩7*05-6-20
満月に吠える、野良犬- 服部 剛自由詩15*05-1-25
浮顔- 服部 剛自由詩11*04-12-26
「る」- 服部 剛未詩・独白31*04-7-9

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する