すべてのおすすめ
いつも
大きなはさみが
ぶらさがっていて
ちょきんと切ると
世界は まっぷたつ
燃えて落ちる空
明日も また
ちょきんと まっぷたつ
てふてふが
海を渡つてゐるのを
飢ゑた勇魚が、
ぢつと、見た
食べてはいけないのだよと
言ひ聞かせながら
....
いるぐらっつ はるもらーぐ あれしゅろっぷ
のんぎりーあんちゅる すぅいーじゃば じゃば
たらられっぷ とれれろっぷ ちりりるっぷ
なっぷ はっぷ じぇっぷ きゅっぷ やっぷ
....
あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 ....
かなしみが
すこしずつ こりかたまって
そうやって できた石は
どんな色してるでしょうか
にごった 灰色だったりすると
いやだな
すきとおった 青い色なら
い ....
センパイ綺麗ですよねなんで結婚しないんですか
などとほざく後輩の頭をこつんとこづき
それじゃ明日ねとあっさり告げて
農協の裏手の墓地を抜け
コンクリ舗装のきつい坂を登り
唐突にある扉をあ ....
おやゆびこぞう が納屋におしいり
密会していた ひとさしゆび と なかゆびじいさん を
ナイフでひとさし して逃走しました
くすりゆびくん と こゆびちゃん は
さっそく捜索を開始したのです
....
とどがいます
打ち上げられました
寝ています
どこにも行けません
助けて
なんて頼まない
とどだから
なんだか疲れたので
しばらくここで休みます
ひとりです
ダイヤモンドダスト
....
指でつなぎとめ
奥にひろがるはずの
水をかくした葦の
叢で
わらい戯れてひそみ
その口をふたぎあって
ちいさな音に身を寄せ
ぬくもる鳥となった
あたたかい日に歩こう
の約束は ....
五月の岡を歩いている
松林の間から
ひめ春蝉が鳴いている
ここは
天国ですか
みんなは笑っている
天国かもしれないが
あなたの天国であり
私達の天国ではありませ ....
心臓の近くでセミの声がしている
冷蔵庫を開けると
大きめのロブスターが、ヤー、ヤー、と
おもちゃの銃を振り回しているのが見える
いつだって無邪気な者には罪が無い
野菜室からよく冷えた ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
手のひらの中に
そっと星を隠していたら
夜になって光りだし
銀河系宇宙であることが
ばれてしまった
それは蝶のように
よぞらをかざって ....
それから人びとは浜辺にゆっくりと集まって
きた。ぬめぬめした、軟体動物のような朝、
塩辛い希望を胸の前に抱えて持ち、人びとは
次から次へと、前の扉から次の出口へと、通
りぬけるように浜辺に集ま ....
ヒマラヤを眺めたことはない
インドもいったことがない
もちろんネパールにもいったことがない
エベレストを眺めたい
ネパールをトレッキングしてみたい
山頂に立ちた ....
駅のホームで国歌を斉唱します、国歌を斉唱したいのです
どこの国歌でも構いません、僕は斉唱したいのです
恋人はホームの先端でフェンスを噛み砕いています
ものすごい音をたて、あるいは音をたて ....
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