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ほんとうの名前を知られてし
まったせいでわたしは呪いを
かけられてしまいそれ以来わ
たしは毎晩のように夜通し膝
を抱えて自分の爪先を眺めて
過ごすそんな寂しい人間にな
ってしまいましたああ ....
ひんやりしてる
ああ、とてもひんやりしているんだ
きもちいい
すごく、きもちいいな

この、
世界の内と外の境界あたりは
とにかくひんやりしていて、きもちいい

それにしても
馬鹿 ....
もしもーし
留守番電話センターにおつなぎします
発信音の後に20秒以内でメッセージをどうぞ
なんだ留守電かよ
ピー

もしもし
虹っていう字は
なんで虫偏なのか
わかったら教えてく ....
裸になって{ルビ躯=からだ}と{ルビ躯=からだ}を結んだところで
それで一体何が分かり合えるのですか
なぁんて真剣な顔で言ってみても
{ルビ躯=からだ}はやる気満々じゃないですか
はいはい
 ....
通り過ぎる車のライト
棘のように
瞼に突き刺さって抜けない

つめたい耳朶に
くちびるを寄せる

わたしは
誰でもなく
ここは
何処でもない

通り過ぎた車のテールランプの
 ....
すべての人には名前があり
すべての名前には願いや祈りがこめられている

殺す者に名前があるように
殺される者にも名前はある

殺す者になるために付けられた名前などなく
殺される者になるた ....
四月とはいっても
まだ肌寒い明け方の空気の中
酔っ払ってるふりしてビニール傘振り回しながら
お初天神あたりを踊るような足取りで

そうやって
無理やり気持ちに火を点けて
疲れてるのとか
 ....
雨粒が落ちるのとほぼ同じスピードで
わたしも落ちていっている
雨粒とわたしの相対的な速度は
限りなくゼロに近く
わたしの周りで静止した無数の雨粒は
刹那と永劫の境界線上に
ありえないバラン ....
今日もまた
いのちを食べた

レストランで
洒落た皿に盛り付けられて
テーブルに運ばれてきたけものの肉は
数日前まではオーストラリアの牧場で
緑の草を食んでいたのだろうか
ナイフで切り ....
ムース配布中
駅前でムース配布中
キャンペーンガール駅前でムース配布中
ムースのキャンペーンガール駅前でムース配布中
新製品ムースのキャンペーンガール駅前でムース配布中

キャンペーンガー ....
耳の奥でずっと鳴り響いている低い音に
3度上のハーモニーをハミングで奏でてみた
上空を飛び去っていくジェット機の爆音は5度上
あいつがここにいたらきっとあたりまえのように
いかしたメロディを口 ....
真っ白なミルク
コンビニで買ったよ
息きらして走って帰って
今すぐにでも押し倒したいな
真っ白なシーツ
ミルクぶちまけて
パーティーのはじまりさ
約束のすべてに
火を放って
いま

ゼロに向かって
光の速さで遡っていく
裏切り者を乗せた
クリーム色の機械が
淫らな静謐の中
波ひとつ立てず
貫くように音もなく
飛ぶ

や ....
雨が降っているので
マグカップを左手に持って
泳ぐように家を出た

なにしろ左手は
マグカップを持っているのだから
なかなか上手く泳げない
気を抜くと溺れそうだ

駅に着いても安心し ....
真っ黒な宇宙に
雨が降る
上も下もない
無限の空間に
音もなく
雨が降る
銀色の糸のように
眩く輝きながら
真空に満ちてゆく
永劫の雨
久遠の雨
まよえるこひつじも
まよえるたましいも
まよえるさらりーまんも
まよえるしょうがくせいも
まよえるおくさんも
まよえるかえるも
まよえるさつじんきも
まよえるつばめも
まよえるしゃちょ ....
初めて会ったとき
アンタすごくドビンチョーレだった
あんなにドビンチョーレなのって
それまで見たことなかった
あんまりにもドビンチョーレで
壊れちゃうかもって思った
イッちゃうかもって思っ ....
盗んだ自転車で
きみに会いにいこう
道端のタンポポを摘んで
いいことがなにひとつなかった日の夜は
バスタブにもぐって
自分の心臓の音に耳を傾ける
この世界に生まれてくるまえから知っている
止まることのない永遠のリフ
なんとシンプルで
なんと美しいリ ....
ナイフはきれいだからこそ
心の中にしまっておくんだ
頭の中で
黒い鳥が暴れるから
良くないことばかり
考えてしまうんだ
この長い夜が
明けるのが先か
それとも
黒い鳥が飛び立つのが先か
朝日はまだ
当分昇りそうにない
こないだの日曜日
夕方
泣きました
一人
ベッドの隅っこの方で
丸くなって
泣きました

どこかの家から聴こえてくる
たどたどしいピアノが
まるで
冴えない映画のBGMみたいで
 ....
転がるとか
走り出すとか
そういう感じじゃなくて、
フッ飛んでくとか
消え去っちまうとか
そういう感じが欲しいんだ。
重くて速い風が耳元をドヒュン、
カラダごと持っていかれそうになるほど ....
「缶ビール飲みながら
 つけっぱなしの深夜番組を
 BGM代わりに読む
 免疫学入門」

「ねぇ読んで
 読んでほしいの
 あなたに
 免疫学入門」

「病院のベッドで
 吐いて ....
もうとっくに
何もかも終わったあとで
取り返しがつかないとしても
もう一回おれが
最初から始めてやる
この
ベランダから
見下ろす夜景の
何千何万という
小さな光が
蛍光灯や
白熱灯なんかじゃなく
ぜんぶ
松明の灯りなら
いいのに
地下街の外れの寂れたゲームセンターの
UFOキャッチャーで手に入れた
「丑の刻参り」セット
藁人形
五寸釘
鉄輪
蝋燭
白装束
かなり重くて相当苦労した
意地になってやったおかげで
 ....
レスポールの重さ肩に喰い込んで動かぬ指をもどかしく噛む



ジミ、ジム、ジャニス、ジョン、おれのイニシャルもJならよかった



スタジオの隅で誰かを待っているネックの折れた6119 ....
ロウソク
ただ一本
真ッ暗闇に灯る

落ちているのか
昇っているのか
さっぱり判らないほどの漆黒の中で
ポツンと
灯り一つ

そこにいるのは
おッ母さんですか
おッ母さんなので ....
にんげん
だけど
くだもの

にんげん
なのに
くだもの

せめて
くだものにんげん
とか
しょくぶつにんげんなら
まだしも

ざんねんながら
にんげんくだもの

ど ....
蜜さんの大覚アキラさんおすすめリスト(92)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
汚れた血- 大覚アキ ...自由詩505-4-29
ボーダーライン- 大覚アキ ...自由詩305-4-29
とぶクスリ- 大覚アキ ...自由詩105-4-25
パンツを脱げ- 大覚アキ ...自由詩1105-4-23
フラッシュバック- 大覚アキ ...自由詩505-4-22
名前- 大覚アキ ...自由詩305-4-22
四月- 大覚アキ ...自由詩405-4-21
ゼノンの雨粒- 大覚アキ ...自由詩5*05-4-20
祝祭の日々- 大覚アキ ...自由詩205-4-19
ムース祭り- 大覚アキ ...自由詩505-4-15
クレイジー・ダイヤモンド- 大覚アキ ...自由詩205-4-15
ミルク- 大覚アキ ...自由詩505-4-14
海を見に行く日- 大覚アキ ...自由詩305-4-14
会社まで泳ぐ日- 大覚アキ ...自由詩405-4-12
宙に降る雨- 大覚アキ ...自由詩205-4-12
かえりなよ- 大覚アキ ...自由詩605-4-12
ドビンチョーレ- 大覚アキ ...自由詩4*05-4-11
タンポポ- 大覚アキ ...自由詩605-4-9
鼓動- 大覚アキ ...自由詩305-4-7
ナイフ- 大覚アキ ...自由詩605-4-7
この長い夜を越えて- 大覚アキ ...自由詩305-4-7
涙の星- 大覚アキ ...自由詩305-4-6
あの、感じ、- 大覚アキ ...自由詩3*05-4-5
免疫学入門- 大覚アキ ...自由詩505-4-5
新しい歌- 大覚アキ ...自由詩305-4-4
松明を燃やせ- 大覚アキ ...自由詩105-4-3
「丑の刻参り」セット- 大覚アキ ...自由詩305-3-30
DISTORTION_AND_FLANGER- 大覚アキ ...短歌1*05-3-29
姥捨谷- 大覚アキ ...自由詩205-3-29
にんげんくだもの- 大覚アキ ...自由詩805-3-28

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