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彼女は彷徨する
宇宙のもっとも昏い場所で
輝度分布と力学的質量分布の不一致を求めて
五次元を通り抜けるために
 

彼は停止する
宇宙のもっとも冥い場所で
客観的には停止した時間のなか ....
夕暮れの音楽室で
ピアノを弾いた

平穏で無難な和音

誰がつくりあげるとしても
たとえばそれが夕暮れのサイレンだとしても
F#はF#にかわりはなくて
壁からみおろしている楽聖だって
 ....
ヴィレブロルト・スネルは己の運命も未来も悟りはしなかった。
しかし光は己の運命を知っていた。

もっとも速くあれ

それが光の命題であり運命であり
屈折しても反射しても散乱しても構わなかっ ....
片足だけ靴履いて
レプラコーンに会いに行こうよ
どこにも続かない道を
どこまでも行こうよ
最初に巨大なテーブルが在つた。
テーブルこそは原初の者である。

テーブルの一辺は三千{ルビ阿僧祇=あそうぎ}四千{ルビ阿僧祇=あそうぎ}であつて、
其の対角線は五千{ルビ阿僧祇=あそうぎ}、 ....
彼等は天使なのだから自由に降りてくる
ひとは誰も彼等の姿を見ることができない
彼等に思想はない
彼等は天使であり善でも悪でもない

天使は通り過ぎる
ありとあらゆるものを刺し貫き ....
雨がしとど降る夕方にさえ
その図書館は
虹のなないろよりも多くの色彩にあふれているのでした

花はバラ色
空は空色
木々は緑

図書館に住む少女たちは
童話の勇気ある少女のように
 ....
地球はもうはぜてしまったくす玉だ。色褪せたリボン。散らばってしまった紙吹雪。蔦はどこから生えていいかわからなくなって、橋桁から橋桁にかけて危なっかしく川を渡ってゆく、川の向こうには一本のけやきがあり坂 .... 初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、

あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
どうしようもない高層ビルが砂煙あげて物静かに崩壊していった。それはいつだったか、たぶん去年の五月のことだ。もう終わってしまったゲーム盤の上で人々は右往左往していた。怒鳴り散らしていた頼りがいのある審判 .... なに戸惑った顔つきで叫んでるのさ
ワームホールはもう閉じちまったよ
ぷんぷん漂うのはメタンぽいな
どこの惑星から来たのか知らねーけど
諦めて寝てたらどうだ
弥勒が来るころには
 ....
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