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三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは
まだ
白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉が ....
ささやくようにはいりこんだ季節は
坂の向こうで風をふくみ
かがやいている
いつも背中に手をふれ
たしかめながら
もうずいぶん歩いて
彼女の手には ひまわりが一輪咲 ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....