如月や黒いソファーに横たわるあなたの影も微笑んでいる


ゆく船のゆくえわからぬまま岸でぼくらが録音されていた夏


ケイタイを缶コーヒーのように振るきみはまだまだ宇宙に鳴れる


 ....
焼き払われて
焦土と化した故郷の村に還ってきた
いちめんの砂地に転がる骨のオブジェたち

あたしの家のあった場所に
炊煙があがったような気がして
駆けよってみると
テントのまぼろしの ....
幹さん、
どうでもいいですけど
高円寺のキャバクラで詩人っていう名刺配りまくるのはやめて下さいよ。
大将二号店で2本目のつくねをほおばりながらキムがつっけんどんに言い放った
どうでもいいけどキ ....
俺、台所で素うどん
このダシがね、またなんとも
粉末なんだが結構乙ですよ
こないだなんかはちょっと濃いめに作ったりしてね
塩分だけで生きてるわけじゃないから辛いのは良くないのよね
蝿に語る俺論
うどん ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた


「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
おらはやらないかんことがあるけん先に帰るで
気にするこたないが
先に帰るばあよえ
待たんでええわえ
もう帰ってこんかもしれんし
また会いとなったら来るけん
心配すなや

(あたまのなかで)

お前が工 ....
にほんごではなそ
にほんごだいすき
そのにほんごでせかいをはりたおしてみろよ
ちいさなおまえ
おまえにはにほんごがある
でもねほんとは
しなんかうんこみたいなものだし
おんなのこにはきら ....
渋谷の町で何をためらうのか野良犬がひとり
歩道橋の前で階段を見上げている
さもエスカレーターかのように
タイミングをはかって
揺れている

俺はそれを見ながらネギ焼きで焼酎を飲んでいる
 ....
雨が降ると配色が悪くなる
そこから世界はぐずり始める
平行四辺形が歪んだ正方形だとするならば
俺はそれと同じ比率でずれていったのだと思うよ
行楽シーズンにどこへも行けなかった家庭の子供のように
休みあ ....
塩鮭を食べていると
中央線をめくっているような気分がするのです
軽く焦げて乾いた皮を箸でつまみ
スズ色をはがしていくその下にあばかれるニスのような脂身のツヤ
崩れる鮭の肉
自転車置場から全速 ....
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた

文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である

ひと読み惚れという言葉 ....
窮鼠猫を噛み私たちは溜飲を下げる が
私たちはいったいいつまで
窮鼠のふりを続けるのか

新聞の読者投稿欄というものがある
世界には人の数ほど意見があるのだということを
思い知らされるのに ....
アスファルトが激しくそれも禿しく空中に
勃起するのだが
雨は降った
真面目に川はうねうねとうるさい
それがトビガチョウの夏だよ
川を渡ったまま
骨が砕けていくのがわかる
赤色の糸で背を閉 ....
ある日、大学の売店で飲みものを買いました。
三十九ルーブルだったので、十ルーブル札を四枚だしました。
売店のおねえさんはお釣りの一ルーブル硬貨(日本円で四円くらいでしょうか)を探しましたが、ありま ....
「赤レンガ倉庫ができた1923年に
ハンマ(おばあ)は
済州島で生まれたことに
なってるねん

ほんまは丑年生まれやねんけどな

同じ村の出身の
ハルバン(おじい)と
結婚したけど
 ....
「たましい吐き出したろか?」

思わずどきりとして
わたしは暗闇で立ちすくむ

ちいさなからだは
思いきり
はあっと
吐く
白い息を

真っ赤な耳たぶで
自慢げに
ねしずまった まよなか
すこし さむいな と
ひとりのへやで つぶやくと

あれこれのさむさが
いちどきによりあつまって
それは もう
さむさではない
ほかのなにかに
なってしまう
 ....
義父方の祖父の従兄弟の名を忘れ日がな一日オスカルの刑


慣れもせず言う事聞かずつちふまず必死で探す猫の住む家


「ナタデココ下から読んでチェブラシカ」守りたくとも解らぬ家訓


 ....
犬のような咳をしたって
迷惑顔されます
そういうのが嫌だから
休むと
サボリだといわれます

ハナは
かんでもかんでも
溜まります
紙があることは
ありがたいことです

お金っ ....
世の中は変わってゆくけど、変わり方はおっそろしくのんびりしていて、どこがどう変わっていくのかよくわかんない。ちょっとずつ変わりながら繰り返し繰り返し続いてゆくボレロのよう。詩もそう、音楽もそう、物語も .... ちょっと興味があってポイエーシスということばを調べてみた。ただ漠然と「詩情」みたいなものかな、と思ってたんですけど、ちょっと違うみたい。「作り出すことすべて」がこのことばのもとにくくられ、なかでも音楽 .... 「よし、じゃあスモウを取ろう」

そう言うとそいつは泣いたままビックリした顔をしていたのですが、僕が強引に体育館へ引っ張ってゆくとスモウを取る決心をしたようでした。心の中がパンパンになって熱くなっ ....
ヤリキレナサという
生き物である

緑色の
細い草の陰で呼吸を
している

秋の虫ならばまだよかったが
ただ

月を浴びるのが日課らしい

正しいとか
正しくないとか

 ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
はらからの反対語ってなんだろう。実はずうっと考えています
日本語の何を愛好するんだろう。やっぱりずうっと考えています

我はシサム我はヤマトンチュ国の名は知らない彼女のカイビガンだよ
西はイリ ....
 何ともやっかいな詩人を採り上げてしまったものである。しかし、一度決めたからには、筆を先に進めなければならない。
 入沢康夫は難解な詩人である。とても一筋縄ではいかない。僕のような素人が立ち向かうな ....
 




   膝をたたみ 目を伏せて
   思い出すのは
   折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
   黒髪が 風を誘った雨上がり

   わたし ここで猫が飼いたいの
 ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく

六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る

部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る

雨上がり気付かず傘を ....
誰にだってあること


こんなに淋しい
ひとりきりの昼間は
妙にアイスクリームが欲しい


  ときどき部屋の時計が
  止まってるけど、それは
  数えるのをやめただけで
   ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
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