すべてのおすすめ
土砂降りで
街は
真っ白に
光っていて
おれは
雨の終わる場所を
ずっと
探し続けている
わたしは雑誌を読む
そこにはこう書いてある
「180度のオーブンで焼いたラザニアを人肌の温度まで下げ、
髪に満遍なく擦り付けて洗います。そして、ラザニアをよく洗い流した後、
ホワイトソースを塗 ....
明日の朝も僕は
バスの後部座席に重い腰を下ろしては
昨日のメールで君が励ましてくれた言葉を思い出し
リュックの中から取り出した本を開いて
挟んでいた君の写真をみつめるだろう
遠い町に住む ....
肉を焼きます
美味しいですから
正解は無いにしても
ミスター
それは髭です
目にしみる煙です
ジーンズには穴が開いてます
そこからは夏が覗けます
もう少し肉の話を
美味し ....
1メートル50センチの
大きなトカゲが
突然下を向いて
ごぼっごぼっと吐いた
緑色のドロドロとしたものを
苦しそうに吐いた
トカゲは目をつぶって吐いた
わたしはそれをかき集め
ふと思い ....
それはマサルとも劣らない
あなたはPPDでKCCな人だ
朝から晩までオレだった
闇を切り裂くバターナイフ
二文字で五行分ぐらい伝わった
だけど二秒ほどの恋愛
曇天なのにめちゃ暑い まるで ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
地をふりかえる
もはや人でないものとして
山に分け入るべき時だ
鼻を濡らして
舌を濡らして
人としての重荷を下ろす
頬を赤らめ
森を通って山の頂上にたどりつく
おしり むずむずする
....
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている
嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから
....
その日私は一日中テレビを見ていた
朝起きて夜寝るまで
一日中テレビを見ていた
朝、昼、夕の三食も
テレビを見ながら食べたし
数回トイレに行った以外は
掃除も洗濯もせず
一日中テレ ....
日めくりカレンダーをめくって
紙飛行機にする
1年間で365機の飛行機が
この部屋を飛ぶ
赤い3の字を模様にしたのが
白いテーブルに不時着する
他に行くところもなく
行く ....
涙する者は
死んだあと
青いかなしみとなって
宇宙遠方の
つめたいの霧のなかを
何かを考えてるふうに 歩き続けます
ひとが何光年もの希薄のなかを
さまようはずは ないです ....
ああ、またここから、始まる
無意識にながれる所作に
ときどき
生まれる、感覚
蛇口をいきおいよくひねり
じょうろへと水を注ぐ
そんな、とき
朝が、
おとといよりも
昨日よりも ....
<
では皆さん、生ハムをチーズで巻いて下さい
先生、チーズを生ハムで巻くのではないのですか
いえ、生ハムをチーズで巻いて下さい
先生、生ハムはチーズでは巻けないと思 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
外は雨
灰色の壁にカーテンがもたれる
裏に隠した影に「わたし」を探す
探す
見つける
爪痕のようなキズ
記憶を見つめる
何年か前に患った病
真夜中の病室は6人の病人よりも暗い
けれど ....
春など永遠に来るな
小鳥のさえずりも
野に咲く名もない花も
小川のせせらぎも
暖かな陽射しも
この世界には必要ない
春という季節そのものを
凍てついた地面の下に
埋めてしまえばいいのだ ....
ブラウン管に映し出される
あなたの姿を
海の向こうの遠い国で走る
あなたの姿を
こみ上げる嘔吐と戦いながら走る
あなたの姿を
背後に迫るランナーの影を振り切るように走り続ける
あなたの姿 ....
繁華街のビルの壁
男はチョークを振りかざし
白い壁に白い粉を降らせていた
書いた文字はたちまち剥がれ落ち
男の足元に降り積もる
時間×距離×事情
時間×距離×事情・・・
同じ文 ....
思考が
ゆっくりと剥がれ落ちていくような、真夜中の辺りで
時計を逆さまにして
そのリズムに
あくびも忘れて
巡る、巡る
体の中と外を行ったり来たりで
まとまらない、指先の行進、深く
....
オレンジの雲をかじる
甘酸っぱい空気を冷やして飲んだ
気流が発生する前の
静かに流れる朝は鳥の声に押されて
ようやく白い地を染める
地球の回転は空の綱引き
勝ち負けのない勝負は
けれど引 ....
あたらしい世界にやって来たぼくたちは
とりあえず線を引いた
ぼくの土地
きみの土地
あなたの土地
彼の土地
彼女の土地
先祖の土地
生まれてくる子ども達の土地
神様の土地
誰の ....
怒髪天を衝き
コタツに空手チョップ
一刀両断
見事なまでに真っ二つ
でも全然スッキリしない
今日の朝刊で読んだんだけどさ
太陽の直径の千五百倍もある
馬鹿デカい星が見つかったらしい
....
デジタルは、夏の中
よせる波に追いつくスピード
で
車を走らせて
たどりついたなら
うすむらさきに暮れゆく
空と海のあいだを
歩こう
風にもゆるがない
涼しい背中
で
....
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける
ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
地下鉄ゴトン
改札口ガタン
猫の目キラリ
三日月ピカリ
ドブ川ドロリ
長い影スラリ
帰り道ポツン
そうやって夜は沈み
盲目のあなたは歩くこともできず
杖を探して這い回るのです
まぶたを透かす希望に
わずかなぬくもりを感じると
胸の奥に溜め込んで満ちるのを待つ
狂いそうな ....
闘争は常にあり、ときとして高みより眺めれば静かなれど、戦場はその内より崩壊の曲を奏で、その旋律は土台からくつがえされる。
月が真っ黄色に輝いて
鈍い青の夜空に貼り付いている木曜日
橋の上の素人ミュージシャン
調子ハズレの流行り歌
ギター掻き鳴らし喉も裂けよと
タバコの煙と一緒に風に乗って
電柱よりもビルよりも ....
とかげのしっぽ
途切れたしっぽ
さらに細かくして
きれいに並べた
つながらない先端
二番目、三番目
つながらない
動かなくなって
それは死んでもいなくて
近づいた胴 ....
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