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西武新宿線の下り各駅先頭車両の一番前っていうか
その、つまり運転手さんからとびら一枚隔てたすぐ後ろで
ぼくは黒人と並んで窓のそとをみていた
正午過ぎでさわやかな気持ちだった
俺たちはもう猛獣を ....
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
冷水を浴びせかけられ
びしょびしょのグー
小指から開くと 小さな傘があった
「何故」と問うには細心の勇気が必要だ
「どうして」に至ってはよく咬んで生殺しにする
「誰」かの「何時」 ....
聖地の方角へ向けて祈る
巡礼者のような面持ちで
私は此処に立っていた
星たちの第五待合室
そこにある伝言板に
私が一行書き加えると
誰かが四行詩で返信する
....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
「病院」と云う単語を口にすると、決まってあたしの脳裏には秋の終わりの桜並木が過る。枯れた葉が風に巻き上げられ、足を進める度にかさかさと乾いた音を発て、粉々に散った。手が冷たくて、外套のポケットに入れて ....
高架下の
冷えたコンクリートに
みみを添えて
こうこうとひかる夜の電車の
進む方向を
聞いている
せわしなく交差する線が
夜へと潜る
瞬間
手にするのは
あざやかに灯るうたごえ ....
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