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序
ひらめき どきどき
きらめき うきうき
ゆらめき いきいき
ときめき すきすき
破
めきめき ばきばき
急
もう あきあき
ため息を薄めた空気を吐き出せば
白くけむった現実が儚く揺れる
滅んでゆく世界が急激に収縮すると
必至にしがみつかなければ吸い込まれてしまう
その前に見えた
一瞬の閃光を書きとどめるた ....
とにかくピンクだったのです
とにかく
と
じゃりじゃりになってしまった雪を
踏みしめ踏みしめ
私はつぶやくのです
とにかくゼロだったのです
とにかく
限りなく
完全には
ゼロ
....
ある時
うさぎは
森の中を
大声で叫びながら
走っていた
「たいへんだ
たいへんだ
ぼくはおおきなゆううつに
おしつぶされて
しにそうだ」
動物たちには
「ゆうう ....
望まれるかたちを知りながら、それを拒んだ
紳士は黒い衣服に身を包み、わたしを睨みつけた
――― 風が吹く ここには とっておきの ―――
髪が乱れる それと同じくらいに 心が乱れる
....
見えない糸でんわで結ばれていても
青い微笑がしみわたる夜ですから
ともだちだけが変わってゆきます
無声音の言葉はみちにあふれ
生きる水位が青い
少女たちの
渋谷です
原石 ....
砂防 とりわけて 終始 細目 する たくらみの 錯乱機械 叙情 な ノズル 噛み砕く 弩 不協和 に 滞る しこり 舐め回して いろは を 数える 錫杖 の ように Subtitle を 呑み込む 雲 ....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ
施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
重たい言葉を呟きながら
折った鶴はくずれた格好でいました
尾なのか頭なのかわからない二本のツノは
怒っていました
指がふるえて
上手に折れないのですから仕方ありません
せめて寂しくない ....
明日のために その1
一人でいると
寂しくて気が狂いそう
二人でいると
思わず相手を殺してしまいそう
三人でいると
口が滑ってほんとうのことを言いそうになるんだ
....
少女は少年に手紙を出した。
少女はポストの中に手紙を入れた。
手違いで海を渡った手紙は、雨の湿気の清潔な部分を少しづつ、選別しながら含みはじめた。
シベリアの炭鉱は、その手紙を炭の中 ....
黒い闇のふちを歩いていた
ぬかるみが 靴を巻き込み
わたしを 裸足にした
岸の向こうでは 手招きをする遊女がいて
ゆらり ゆらり と闇に浮かぶ鮮やかな色が
爪先に 針を落とした
ふ ....
コウちゃんはお兄ちゃんだから、
小さなアヤちゃんの めんどうを見てあげなければいけないの。
アヤちゃんがしゃがみこんでしまったら、
いっしょにしゃがみこんで、
「どうしたの?」ときいてあげ ....
この村には年に一度
山の神様のお祭りがある
唯一舗装された国道沿いに
今年もいくつかの出店が並ぶ
たこやき
やきそば
金魚すくい
年に一度のこの祭りの日
多くの村人達が頂上の神様を訪れ ....
フランケンシュタインの怪物を俺は覚えている。
俺は子どもの時から頭が冴えていて、
誰よりも記憶力がよかった。
だから俺は超難関の試験をいくつもクリアし、
極秘の指令を受けて宇宙に飛び立つ人間と ....
*
文献によればビー玉沿線の原形が見いだされるのは乾永4年というから
はるか安土桃山時代まで遡る。むろん当時は鉄道の概念はなく線路など
というものは存在しないがビー玉を直やかにすべらせるた ....
ダイアリーの中に消えた 少年の影を見る
彼は 泣いていたのだっけ? 怒っていたのだっけ?
・
暑い日の蝉の鳴き声を覚えている
迫りくる
2拍子4拍 ....
つめたいあおぞらの岸堤では、
薄色の私に関する波紋が水面で揺れていましたが、
十四歳の虚無にとって、ひややかな書籍など、
朝と草と自転車とほたるにすぎませんでした。
森をあまく満たすぶどうは音 ....
てのひらにドアを取り付けた
白くてとても素敵なドアなので
一度遊びに来てください
と、旧い知り合い数人に手紙を出した
一通が宛先不明で戻り
それより早く金を返せ、という返事が来た以外は
い ....
とろける 世界では
みんなとろけた
暑くて暑くてとろけてしまった少年
あまりの美人の魅力にとろけてしまったサラリーマン
舌がとろける本マグロの中トロ
みんな とろけて しまった
だ ....
ぼんやり東京をながめてた
ビルの匂いがした
冬
いろ つや かたち
小瓶をさかさにして
こぼれおちるこげ茶色のおんしょくを
君にたむけて
ピンクの舌でふれる液体
冬の匂い
ぽ ....
どんな時でも
どんな時でもだ
どんな時でもだのことを想像してみろ
創造もしてみろ
例えばこうだ
ああ、あれは何だと皆が天を指差すとき、そこにはぎらぎらと燃え上がる太陽が、
急に目も ....
絶望を語る人は
絶望を語る上において
楽しそうだ
恋の苦しみを語る人は
恋の苦しみを語る上において
楽しそうだ
国を憂うことを語る人は
国を憂うことを語る上において
楽しそうだ ....
うさぎは
「じぶんが
あいされていない」と
かんがえたので
みずうみに
みを
ひたしました
つぎのひ
ぽっかりとうかんだ
うさぎのからだをみた
どうぶつたちは
このようにしゃ ....
画用紙に迷うことなく色をのせた
空の青は
記憶にはない
白い画用紙が
とても不自然に思えて
窓ガラスに
水を浸しただけの
筆をはしらせると
透けた空が濡れた
いっそ瞳を
青く塗りつ ....
しろい あさ
さむい あさ
ひろい あざ
ひどい あざ
あかるい きみは
くらいせいかくの やつと
ちょうど つりあう
そとは はれ
ざまあみろ
せんたくが
おわる ....
おやすみのひに
ねてばっかりなのは
パパのわるいクセだね
むすめよ
そういうのは
クセとはいわないのだよ
わたしのこと
だいすきなのは
パパのいいクセだね
むすめ ....
きみの血ばかりつらい祖父のように
記号は書かれるまま
自然においては匂うまま立ち止まります。
無秩序の希望より隔てる韻律のほうがましです。
柔らかな性器もいくども祈れば
全世界を願う神になる ....
夕明りの文法でねむる
涙のようなガラスですから
青いコンタクトレンズ。
それをつけたぼくには
青雲のみずのような波と
月の光のようなこころで、
ノートのうらの
神経のかすかな生の魂の ....
ありがとうは あさからばんまで
いろめがねは いくらに いっぱい
うつくしいは うつむき うっとり
えがおは えのなか えになって
オニヤンマたちは おころりよ
かぜは からから かわき ....
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