もし月が地球に落ちてきたら
全世界の人々は両手を天に掲げて
月を支えようとするだろうか
朝のラッシュにもまれていると
ふと Ck-One のかおりがした
スイングする冷房にのって届いた
ひやりとするあの柑橘は
間違いなく君のものだった
今時つける人も少ないだろうと思って ....
馬車の全重量が掛かるハブ
ハブから放射状にスポークが伸びて
丸いタイヤに刺さってる
ヒッコリーの木に刺さってる
鋼鉄のタイヤをはめて
今日も車輪が生まれる
車輪を叩いて隣人 ....
われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く
狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ
水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日
コン ....
今日も額に汗を滲ませて
門前払いは覚悟の上
蝉の鳴き声しか聞こえない
住宅地のあちらこちらを歩く私は一匹のありんこ
無数のピンポンを押して
ようやく玄関のドアは開いて
満面の笑みと話術 ....
あ、ああ、あ、ああ、あ、もうすぐ消えてしまう
昼がこわい、夜がこわい。ねじを。ねじを巻かないと、
昼がこわい、夜が。こちらの音をきくために、
あちらがわに回りこまなければいけないような、
そう ....
かくとは
どういうことだ
なまくらの安包丁
長く使い過ぎ
先がひん曲がって
薄肉を切るにも逸らされる
研石を買ってはみたが
いま切るのには役立たない
天井に匂いが立ちこ ....
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから
少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました
悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど
晴れわたる空に喜びは
....
えーオトナな人たちだけにむけて書きます。この前出張にいったんですけど、楽天ですげー安いホテルをとったんですけど、まあなんつうか、壁も安っちいわけですねそゆとこは。
で、となりのひとの声とかも聞 ....
えー
目下のところの目標は
全国縦断ツアーをやりたいです
小さな港町
あるいは政令指定都市
アリーナとはいわないですから
ライブハウスでオッケーですから
まあ
問題は
うたをうた ....
恐竜の背に乗った彼半笑い
ティラノから逃れるすべが二百円
生き飽きたブラキオサウルス吹いた虹
ストルチオミムスの名前やや忘れ
「花を見ず一億年間生きました」
「骨に歯を通 ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった
わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ
と
美しい光
いつつ
むっつ
と
美しい光
けれどもそこ ....
惑星の軌道が外れ
外惑星が招かれた
北の空にはシリウスが
東の空には帚星
翳る南は新月の
西の館に可憐な姫が
ガレリオ眼鏡で首を振る
百年経ったらまたおいで
....
新しい惑星に
私はなりたい
あなたの
楕円軌道で追いかけて
あなたの日常を
照らすこともない
私は
小さな氷のかけら
それでも
見つめる
くらいはいいだろう
....
灰色の壁 とびこえたなら
緑の草原 清らな小川
二人は常に 寄り添うでしょう
大きなケヤキの 幹にもたれて
二人はいつも 囁くでしょう
甘く切ない 愛の言葉を
燃える心で悲 ....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 ....
曇った窓ガラスに
家の印をつけて
それから
母の勤めている店の印をつけて
でたらめな道でつなげる
窓が汚れるから、と
後で怒られたけれど
それがわたしの初めて描いた
世界地図でした ....
ネットという媒体は、批評には不向きである。批評の形式の問題ではなく、この媒体の特殊性がそうさせるのである。匿名性が極めて高いこと、垂れ流し的になり易いこと、広く公開され、即座に反応出来るだけに、余計な ....
サワレナイという女の子がいました
何を贈られてもそれに触れないでかなしそうに笑うので
そう呼ばれていたのです
サワレナイはある朝、さみしい夢に目を覚ましました
そして、毎朝そうやって起きていた ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
今、生きている人間が必ず1度は経験する事柄があります。
全員、おしなべて、例外なく、絶対に、です。
それは、
この世に生まれる事と死ぬ事です。
人は誰でも、必ず親から生まれたから生きて ....
別格で、ほとんど崇拝に近いほど好きな岡崎京子だが、完全読破はしていない。『うたかたの日々』と『愛の生活』で躓いている。もう「年単位」の躓きだ。どちらもすでにラックで鎮座しているのだけれど。
そ ....
知らないホテルの片隅で、
丸くくるまって君の寝顔を見てる。
ひとりでは眠れないというから、
毎晩、君が寝付くまで色んな事を話す。
あの鮮やかな初夏の想い出を、君 ....
A型のあなた翼を折りたたみ夢の背中へ落下してゆく
B型のあなた昆虫採集を投げ出し籠の中で寝ている
C型のあなた視界に映る朝こことは違ふ世界の夜明け
O型のあなた肯定し続け ....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 ....
これは天使の羽の痕なの。
肩の傷跡を指差して、
彼女は笑う。
ここに白くておっきな羽があって、
ばさばさばさぁーって羽ばたいて、飛べたの。
でもね ....
みんな投げやりだってこと
私たちは
体感したいのだ
本能には抗えないってこと
おなじ
罪人になりたいんだ
しかたないよねって
あなたの言うままに
ハンドルを切る
国道は
....
エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて
着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る
水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河
....
朝
緑に染まる川沿いを歩く
白い花がいくつも流れている
八高線の高架下
電車が通るたび
元の樹を離れ
降っていたのだった
周りの遊歩道はそこだけが白く
ぽっと明るい
故郷に降る ....
−詩に没頭してるオトナって、やばくない?
そうそう。ある意味ね。
−だから学生さんとかが、ばーっとイベントとか、やればいいんだよね。
−オトナは無理だよ、無理無理ー。
詩を中心としたイ ....
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