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硬派、なんて四角い発泡スチロールの断片のようなものだ。恋心、という風神にいとも容易く巻き上げられて、何度も同じような軌道をぐるぐると巡らされるのだから・・・。
綿毛、その種、
ほとんど重さのない、
雪のしたの土のなかでも、春へと耐えしのぶ、
石ではない、ちいさな有機の礎、
晩秋のくもり空の下、
とてもめずらしい、
綿毛のタンポポが、白い球体のまま ....
そっと踏みいる、それへの入り口。プールサイドの縁に紺いろの靴下を濡らす。夏の制服姿の少女が夏の制服姿のまま水色のプールの中へと入ってゆく。やがて肩の上から頭のてっぺんまでをも水色の水鏡へとゆっくりと沈 ....
余韻の水溶、
不規則な周期で、
ほろほろと何度も崩れかかる、
水面に映りこむ蜃気楼、
そのぼくらの抱擁と微睡みのマーブル模様、
そのきわめて曲線的な光の屈折率に、
目くるめく眩暈が比例して ....
とおくの海から聞こえる
漁船のエンジン音が
夜の上空にどんよりと膜を張る
夜露に濡れた家々の屋根が
魚の腹のように光る
窓の奥で、
そのようにしっとりと濡れていく
濡れていく
まるで母 ....