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{ルビ巨=おお}きな人体の
頭がこの地に
脚が 少女の碧眼のような
空にあり
遠い月から 無数の
羅針盤と目玉とが降ってくる
羅針盤の磁針も 目玉の瞳も
{ルビ出鱈目=でたらめ}な向きを ....
少女の家の浴槽の中でこれは夢だ、と判った。
僕を肩まで沈めるお湯はその面のすべてから苺の安っぽいにおいを放っていた(たぶん入浴剤の成分だ) 僕はこの少女の家の構造の対称性を想ってすべてが まさに ....
ボリビア行きの電車に
重たい体を預け
ひとりで飲むジンジャー・エールの味を
確かめに行く
鞄から一冊の本を取り出して
次の停車場まで読む
それは僕があなたのように
ひとの心を受け ....
長い脚を{ルビ鞍=くら}から垂らす
彼は動かぬ白馬に{ルビ跨=またが}っている
馬も{ルビ体躯=たいく}も憎まず
彼は上品に降りた
{ルビ船酔=ふなよい}や高炉の穴の旅行映像を
彼ははに ....