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坂の上の校門で{ルビ磔=はりつけ}にされた少女の歳は十五であり、少女の脇腹の絶えず{ルビ膿=うみ}を吐く傷こそが彼であって、幾度{ルビ掻=か}こうとも少女の{ルビ痒=かゆ}みは失せることがなかった。少 ....
心拍が垂直に水を跳ばし
滑らかな曲線は鏡に切れ
凸面は新しく頭を下にし
脚を月に遠い空にうつし
それは鳥の群の{ルビ端=はし}をゆれ
教会へひとつ羽を落とし
埃をつつむ結晶に打たせ
運動 ....
あなたの網膜に向かってなめらかに捩れる音楽を把えるために僕はあなたの眼を視ない
なんとなれば眼とは水を細分しあまりに暗く非在の青を結ぶ その二組の泡の両端をそれぞれに直線で結ぶことは眼の仕事ではない ....