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通りすぎていった雨にまだ濡れている。まだ舗装されたばかりの黒いアスファルトにもはやすっかりと晴れあがった青空が映りこんで、まるで曹灰長石(ラブラドライト)かなにかのようにその淡いみずいろを反射している ....
下ろしかけていた自動シャッターのボタンをまた上げる方に押す。シロップ漬けのサクランボのような紅色をしたまあるい巨星。とても大きく膨らんだ夕日がシャッター先のひくい夕空に浮かんでいる。しばしのあいだ魅入 ....
冬、まだ生き続けている。とても大きなオオクロバエ。窓ガラスに張り付いたまま。もはやほとんど動かない。指さきを近づけてみてももはや俊敏に飛び立つこともしない。それはまるで、もう十分に生きてきたから、みた ....
粉雪の夜空からそっと舞い降りてくる、とてもちいさな白い天使たちが、君のながい睫毛の上にそっと置いていった、とてもちいさな氷水晶。
きみのしずかな寝息は、 この、
夜の水槽のような部屋の暗がりのなかで、
とてもふわふわと、
まるでちいさな海月のように、とてもしずかな寝息だね、
透明なグラスに注がれたコカ・コーラには西陽が射し込んでいて、そのなかには幾つもの氷が沈み込んでいる、その一番上のものには幾つかのちいさな罅が入っていて、まるで浄土の影がわずかに映っているみたいに、その ....
そっと踏みいる、それへの入り口。プールサイドの縁に紺いろの靴下を濡らす。夏の制服姿の少女が夏の制服姿のまま水色のプールの中へと入ってゆく。やがて肩の上から頭のてっぺんまでをも水色の水鏡へとゆっくりと沈 ....
淡淡(あわあわ)。たばねた頭のてっぺんに今まさにのせている、その小さな雪だるま。それをつねに片手でおさえながら、淡いくりーむ色の肩と細ながい腕を露わにして、露天風呂に浸かっている。けれどもその小さな頭 ....
数日前に茹でてタッパーに詰め込んだ、冷たいそうめんをとりだして食す。もうだいぶ硬くなっているほそい面、たいぶ新鮮味のなくなっている細かく刻んだネギ、ふにやふにゃの刻み海苔、氷を入れてかなり味のうすくな ....
{引用=
青い青い水面に溶けこんでゆく、
眩暈、
ふたりの抱擁、
時計の長短針が、
零からいきなり三十になったように、
逆さまにはっきりと映りこむ、
ふたりの不定形、
まるで半透明のゼ ....
午前に怒り狂った、
土砂降り雨の冠水が、
いつの間にか、
みずいろの夏空へとすべて蒸発していて、
まるで、まる顔の笑顔のように膨らみにふくらんだ、
にゅうどう雲、
が、たくさん湧き出ている ....
清浄な君の、白いレース柄による、
胸の施錠、
かたく閉ざされた、
はちきれんばかりの、
極楽浄土、極楽浄土、
光と水はあらゆるものによく溶け合います。
美しいものには特によく溶け合います。
よく溶け合って美しいものを半ばちょっと別の美しいものへと見事に変容させます。
たとえば夏のプールからあがって来たば ....
きみキューピット、
おんなのこの、
キューピット、
しろいましゅまろみたいな、
ほっぺたを、
ふたつのてのひらで、
おさえながら、
すこぉーしだけ、
くびを、
ななめに、
かしげて ....
ZZZ(・・・ちょっとした記念日のように髪を束ねた君の、まるで陽だまりのような白いほほえみ、そんなぬくもりの中で老いていけたら良いな・・・)ZZZZZZ・・・・・・、
津軽海峡をわたって、
北国のみなみに訪れた、
とても素敵な黒いトンボ、
それは本当に良いことなのか?
それとも良くないことなのか・・・、
以前よりもずっと暖かくなった地球、
....
にわか雨は上がった。その暑さは雨のせいか比較的やわらいでいる。空はもうすっかりとあかるい夏の水色になって、住宅街はとてもおだやか。そんななんとなく緩慢になる午後に、いくつもの陰りがついた。とおくの方で ....
時間がとてもながい、冷や麦を食べすぎた。虫捕りはさして珍しい虫が見つかるわけでもなく、数本しかないファミコンのゲームカセットももうとっくにやり飽きた。昼間の茶の間でコップに入った冷えた麦茶を飲みながら ....
鏡ミラー文志さんの本田憲嵩さんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
日曜出勤
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本田憲嵩
自由詩
14
25-12-12
幕を下ろす
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本田憲嵩
自由詩
11
25-11-30
天寿
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本田憲嵩
自由詩
10
25-11-23
氷水晶
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本田憲嵩
自由詩
9
25-11-20
子守歌
-
本田憲嵩
自由詩
8
25-11-19
コカ・コーラの氷の中にはちいさな罅が入っていて
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本田憲嵩
自由詩
14
25-11-9
ししゅん
-
本田憲嵩
自由詩
17
25-10-8
淡淡(あわあわ)
-
本田憲嵩
自由詩
12*
25-10-1
夏の鮮度
-
本田憲嵩
自由詩
15
25-8-27
水精Ⅳ、或いは海月Ⅱ、
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本田憲嵩
自由詩
16
25-8-16
降水量
-
本田憲嵩
自由詩
11
25-8-7
観音びらき
-
本田憲嵩
自由詩
11
25-7-8
水貌
-
本田憲嵩
自由詩
11
25-5-29
花キューピット
-
本田憲嵩
自由詩
6
24-12-30
ひるね
-
本田憲嵩
自由詩
7
24-12-17
黒トンボ
-
本田憲嵩
自由詩
7
24-8-18
祭囃子
-
本田憲嵩
自由詩
7*
24-8-14
出不精の夏
-
本田憲嵩
自由詩
7*
24-7-30
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