すべてのおすすめ
○「人生百年時代」
ばあちゃんたちは
老後のために
金を貯めている
その金を
サギが狙っている
○「精力剤」
中高年は
もうひとつのチンアゲにも
働きかけている
○「畑の土 ....
世界が照り耀いている
車が通る、人が過ぎる
うっすらと青い空模様、
桜並木は白く染め抜かれ
路上にて、
アパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
我々は、
手と手を宙で ....
モクレンがいくつか咲きました
ほいっ、ほいっ、ほいっと咲きました
あたたかな青空に
花たちはとても得意げでした
でも今日はとても寒いので
蕾たちが得意げです
花は開く前から強い光で ....
今朝
東の空に羊雲がびっしりと
ヒツジたち
みんな揃ってどこへ行くのか
出勤すると社員証を提示する守衛室前に
片足を付け根から轢かれた状態で居る
路上の 蛙
目を ....
一時間ほど止まないかもしれない
路面に跳ねる雨しぶき
ショッピングセンター出入り口の側
売り場フロアーから流れてくる冷気で落ち着き
ふと 気付くと
丸みのあるヒップラインの高 ....
朝に桜並木を通るたび
垂れ下がる何本かの枝に
無数育つ花芽を観る
今朝に花芽はもう目一杯、
膨らみ茶黄色に揺れながら
花開くその時に備えている
沈黙のうちに生成し
盛り上がる命の ....
○「悪い夢」
仕事をやめてから十年もたつのに
今だに仕事で苦労している夢をみる
一番みるのは
文書などの提出に追われている夢である
現役中はそうとうなストレスにさらされていた
と改めて思う ....
冷たすぎない 水の入った硝子の花びん
丸くしぼんで頭を垂れた
二本のガーベラが生けられる
それは夏の日、
駐輪場の傍道に
ビニール包装されたまま
三百円の値札を付けた 落 ....
そこに落ちているその鍵を
拾っていいんだろうか
拾ってどうするんだろうか
持ち主はきっと見つからない
交番に届けたら
返って面倒くさくないだろうか
このオモチャみたいな鍵を
....
零れ落ちるように
溢れ零れるように
うつくしい
おぼろ月の
天空に輝く
この夜陰、
今日の努め 顧みて
要らない言葉と要る言葉
選り分け 心平静に保ち
我 在り ....
きらきらしているね
草花が葉群れが赤が緑が
陽のひかり浴び辺り一面
微細に照り輝きそれぞれに
揺らぎきらきら光と色たち
草花が葉群れが緑が赤が
生きているんだね
絶えず死と入 ....
○「洗濯物干し」
ワイフは洗濯が大好きだ
正確にいうと洗濯機を回すのが大好きだ
1日2回も3回も回しているときがある
僕が寝ている時間にも回しているときがある
しかし干すのは苦手である
....
なんだか気持ちが落ち着かなくって
足がむずむずするというか
目蓋が落ちそうなくらい眠たい癖に
心の中のどこかがヒリヒリしているような
喉の奥のうほうが痛痒いっていうのとは
ちょっと違う気がす ....
○「かかりつけ隣人」
かかりつけ医が必要なように
かかりつけ隣人も必要である
ふだんからあいさつを交わすなどして
仲良くしておくことである
困った時だけ助けてくれ!といわれても
難しい
....
表札が「木戸」とある
ここで きみはご飯をもらっていて
今日も玄関先で眠っている
この間は玄関ドアの傍に並んだ鉢植えに身を寄せて
うずくまり日なたぼっこ
きみの瞳が小路へ向い ....
沈丁花の香しさ
小風に誘われて
こころが遠い場所へタイムリープしてしまう
「ここから見ると。」
海沿いは照り映える鱗波がどこまでとなく続き
うっすら空に霞がかる
....
○「春がまた巡ってきた」
梅の花が咲き
鴬が鳴き
桜の花が咲く
春が
また巡ってきた
春は
別れのとき
出会いのとき
悲喜こもごもの春が
また巡ってきた
僕も七十回目の春が巡 ....
会社の正門を出ると横断歩道を渡って右折する
そこに
名前も知らない神社がある
給料日に銀行へ寄る時だけ利用するようになった
神社の境内のわき道
一人通れる足幅の草だけが禿げて ....
揺れる三角、
楽しげに
春かぜ
網戸から、
流れ込む
踊りませう
躍りませう
時の歌声に、
沸き立つ想い
冬の冷気、
暮れ流れ
伸びる直線、
季節を区切 ....
朝の光に華やかな
紅梅の花の群れ、流れて揺れて
意識、うっとりあけてひらき
紅の点描、今や無数無限
朝の光彩を闊達に浴び
光景に溶け入るわたしが居る
ロレツの回らぬほど酔った男が
何度も同じ事を怒鳴りながら
女に絡みついている
能面の様に 厚ぼったい女の顔は
何の感動も示さず
唯 その口だけが別の生き物のように笑ってい ....
鳥かごみたいな
カバンの中に
大切な本を
持ち歩きたい
部屋の隅で
広げた世界を
丁寧に折り畳んだ
それはまるで
スカートの裾を
抑えるように
風の誘いを断った
カバ ....
休日前に同僚と
行きつけの飲み屋で飲んだくれ
翌朝なって食う茶漬け
これが、美味い
冷や飯に梅干し乗っけて
塩昆布とぬか漬け胡瓜
紅生姜に沢庵添えて
熱湯かけると ....
「では、一つの情報があります。騎士様。わたしが、
どこからこの情報を得てきたのか、ということはお問いになりませんことを。
イリアス・ナディは、このカラスガラの北方にある、
バルケスの塔とい ....
斜光が
百万光年の
斜光が
赤々、
街道沿いの
植木を
染め
もう夕暮れ、
道端に座り
さっきまで
哭いていた神様、
その陶器の肌のような
豊穣な涙に
自らの透明な輪 ....
二月は冷たい熱をまとった光
包まれた小枝は銀色の針金
青々とした空に刺さっている
そして導かれて小さな蕾がこの世に顔を出すだろう
優しかった過去の手を想う
手も語ることはないけれど
私 ....
戦士エイソスは舌打ちをした。ウルム・ルーランテの言うところも、
もっともなことだと納得しながら、それを突き崩せない、
己の無力を思ったのである。祭祀ウルム・ルーランテは、
やはり、知謀と術数にお ....
そこにある
あの砂浜で拾った貝
潮の匂いがちょっとしていた
手軽なゲームと云い放ち
強がってみたあの夏の恋
目が合った
数だけあなたを好きになる
隠し ....
「安泰なものとなるでしょう」と、戦士エイソスは言った。
しかし、ウルム・ルーランテは懐疑的である。
一人の人間が表に立ったところで、政情や国是は変わるまい、
といった一般的な人の持つような、感想 ....
旅人、安らう浜辺に
赤々渦巻く薔薇の蕾
村娘、白砂に足跡残し
歩きながら浴びた雨、
激して浴びた人々の罵声、
待ちわびた陽の光、時の灯、
今 心落ち着き払い
絶望もなく希 ....
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