すべてのおすすめ
深夜、コインランドリーで、小説を読みながら機械が止まるのを待っている女、彼女がどんな気分かなんてある程度想像はつくけれど、それが正解とは限らない、ただ、夜中にまとめて洗濯をするのが好きなだけの女か ....
呪詛のような蔦に巻かれ、痩せ細る夢を見た転寝の午後、少しずつ窓を駆逐せんとする強い西日、動乱めいた夕暮れが背中まで来ていた、コークスクリューの風が吹く十一月の終わり、ベルベッドにくるまれた骨の身元 ....
ダイナーに置き去りにした昨日の心は椅子の上で干乾びていた、埃を掃うように手で落として腰を掛けると今がいつなのか分からなくなった、せめて注文は違うものにしようと思ったが結局同じものに落ち着いた、なに ....
歩道橋の下で雨を凌いでいた、空は灰色の絵具を混ぜた水のような色合で、それは逆に気分を少し冷静にさせた、灰色、それは特別なことではなかった、灰色は俺の日常の色彩だったのだ、買ったばかりの靴の底が少し ....
朗読するマリオネット、解毒的なソナチネ、雨の路面に刻まれた幾つかの足跡は、澱み、歪んで薄汚いエフェクトになる、ジャムのパンクは衛兵を連想させる、銃を肩にかけてしゃきっと立ってるあいつらさ、雨はもう ....
それでも血は流れ続けた、ひっそりと咲いたアカシアの上にも、俺は俺を見放しそうな意識をどうにかして繋ぎ止めようと不透明な頭の中で画策していた、頭上にはすんでのところで雨を押さえているかのような黒雲が ....
鼓動には0・5秒程度の誤差があるように思えた、真夜中のキッチンでシンクの側に腰を掛けて水を飲んでいた、現実感はあまりなかった、と、普通は書くのかもしれないが、それがその日の中では一番の現実として成 ....
じくじくと膿んだ傷の中に次の一行があった、指を指しこみ痛みに悲鳴を上げながらつまんで拾い上げると血で汚れてよく読めなかった、苛立って声を上げながらシャツの裾で拭くとどうにか読めるくらいにはなったの ....
非常階段の先で光輝く太陽を見た、それは死にゆくものが最期に見る光景のように思えた、でもそれを確かめる手段なんか何も無かった、それを知るには俺はまだ強欲過ぎたんだ、衝動に従って―意味も分からないまま ....
本当に恐ろしいのは自身の存在とその周辺のすべてが本来あるべきはずの意味を失ってしまうことだ、豪雨に洗われた路面のように本質を剥き出しにして、けれどなにも語ることは出来ない、本当に恐ろしいのはそうし ....
現代そのものを浴びるほど飲んで酩酊し続けている、根幹の抜け落ちた人間どもが俺を不愉快にする、そこで生きざるを得ない以上仕方のないことだとはわかっちゃいるけれど釈然としないよね、ぶっちゃけた話、なん ....
瞳孔に刻まれた光景は必ず陽の当たらない場所だった、建物に張り付くように生え広がった羊歯、身を屈めで様子を窺う野良猫、酔っ払いの小便の臭い、行場を失くして蓄積する湿気、誰かが捨てて行った悲しみの名残 ....
振動を伴う、低い響き、脳髄の共振が、俺の体温をおかしくする、すべてを投げ出して横たわる床、甘い煙草みたいな臭いの、熱に温められた部屋の空気、まだ滲む冷汗を気にしながら、少しの時間他愛の無い夢を見る ....
異国の船は沖の無人島の側で沈んだってノイズだらけのラジオが言ってた、本来はアウトドア用のロングチェアーにもたれながら、海水をたらふく飲んで死ぬのはどんな気分だろうと俺は考えた、大量に飲むと気がふれ ....
歪んだ燭台の中の左手の小指の先端の骨はすでに黄色く、そこでどれだけの時間が流れたのか見当もつかなかった、一匹の大きめの蟻が意味ありげにそのそばに留まり、しきりに触角を揺らしていた、石で作られた建物 ....
明け方の悪夢が目を覚ましてからもずっと漏水のように滲んでいる、それは猛烈な夏のせいだけではもちろんないだろうし、まして狂いかけた脳味噌のノイズのせいだけでももちろんなかった、正気の方が狂気よりもず ....
時間は降り続ける針の雨だ、すべてが的確に俺を貫いては床を鳴らして消える、概念的な血みどろ、底無し沼に踏み入ったかのように身動きもままならない、それは痛みには思えなかった、それは傷とも思えなかった、 ....
脳髄に寄生して根を張った狂気が頭蓋を穿孔しようとしていた、俺はいつだって自分のことを確かめようとしていたが、確信に至るフィードバックはどこを叩いても得ることが出来ず、諦観の中でただ成り行きを見届け ....
望むとか、望まないとか、そんなもの、特別人生において重要な事柄でもないだろう、何の意味も無く道端でいきなり切り刻まれるやつだって居るさ、夢を見続けるやつなんて阿呆だ、だけど諦めを達観のように語るや ....
伸び過ぎた髪を手早く纏めたら
企んでる顔でこちらへおいで
裁きを受ける覚悟なら出来てる
ひとつやふたつの傷なんて些細なことさ
嵐のあとの
老い先短い湖を飛んで遊びながら
朽ち果てた ....
静物たちは沈黙し続けながら俺たちの詩を見届けようとしている、きっとやつらにとっては一番興味深い現象なのだろう、そしてそれは余程の例外を除いては滅多にお目にかかれるものじゃない、当人の俺たちにしたっ ....
ディランが何やら小難しい歌を喚き続けているのでハイウェイの方に近付くのは辞めにした、そもそも騒々しい場所はもとから好きじゃないし、道もあれこれと入り組んでいる上に一方通行も多くて面倒臭いことばかり ....
瞬きの中に一生を見つけることがある、奇妙に開かれた朝、俺は薄暗い歴史を抱いて合成レザーのソファーの上で小説を読んでいる、壁掛け時計はずっと動いていないように思えるがその存在を忘れている間に数分針を ....
落ちぶれた世界の歯軋りが俺を眠れなくさせる、飲み干した水の入った、コップの底に張り付いていた潰れた小虫、排水溝の向こうで今頃、呪詛を吐き続けているだろう、小さいから、弱いから、儚いからで納得ずくで ....
誰の耳にも止まるよう鎮魂歌は轟音で鳴らされる、崩落した世界の底で見上げる太陽は一番輝いている、絶望や失望と戯れるうちそれが主食かと思うようになった、どこを歩いても腐敗臭ばかりさ、自尊心が内容を ....
秘罪は内側から羽虫のように自我を食らい尽くすだろう、薄暗がりの路地の中で死後の自分の眼差しを見た週末、雨はかろうじて降らないでいるだけの午後だった、冬の名残でもなく、春の目覚めとも思えない温い気温 ....
時計の文字盤の進行と街の気配が奇妙な歪さをもって網膜に刻まれる午後、全身に浅黄色の布を巻きつけた梅毒持ちの浮浪者女が木の柵で囲われた売地の中でこと切れる、鴉たちは低いビルの立ち並ぶ様々な屋上からそ ....
誰かが俺のことを呼んでるのは聞こえていたけど俺はすっかり出来上がってしまっていて返事ひとつもままならなかった、ここで無理矢理立ち上がったところでテーブルと一緒に転んで弁償するグラスがまたひとつ増え ....
お前の筋書き通りさ、神様は血を吐いて仰向けに倒れた、悪魔は小洒落た燕尾服で現れて上等のワインを抜いた、甘い香りがそこら中に漂って…忌み嫌われたロックンロールのイントロが流れ出すとどいつもこいつも狂 ....
あなたは枯れた蔓を集めて、血管をこしらえた
わたしは綿毛を集めて心臓を作り、それを繋いだ
なにも無いこの地にはいつも、優しく撫でるような風が吹いていて
そのせいでわたしはいつだって落ち着かな ....
朧月夜さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(90)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
真夜中のゲーム
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-12-3
bottomless_swamp
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-12-1
定めの夜
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
24-11-18
雨の中で
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
24-11-2
キャンディー・バップ
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-10-30
喪失というものにかたちがあるとしたら
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-10-21
大雑把なルーレットの上の夜
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
24-10-19
命のすべての闘いにおいて俺が語ることは
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
24-10-16
狭間
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
24-10-10
水が絶えなければ循環は続いていく
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
24-9-28
革命なんか笑い飛ばすんだよ、実際の話
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
24-9-18
指先の足跡
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ホロウ・ ...
自由詩
6*
24-9-16
These_are_better_days.
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-9-10
沈没船の内訳は君のように俺のように
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-8-22
渇いた夢
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-8-4
深海のモノローグ
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-7-28
途轍もなく赤いキャンバスが垂れ流す言語
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-7-21
Egg_Shell(脆いが硬い)
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-7-14
torrential_rain
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-6-9
ふざけた世界にさよならを
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
24-5-25
散らばった骨はひとつところに集めておけばいい
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
24-5-19
Desolation_Angel
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-5-15
蜥蜴の行方の先の素描
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-4-20
手遅れの手前
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ホロウ・ ...
自由詩
6*
24-4-7
bad_religion
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-3-31
音のない雨
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-3-24
失くした頁ほど読み返したくなるものだから
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-3-17
寄り道の先の亡霊
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-3-9
いつでも枕がそこにあるとは限らない
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
24-3-3
はばたきは、いつか
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
24-2-21
1
2
3
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