はく っ、 りっ

耳を塞ぐと虫の音が耳のなかに響き渡る、鈴虫が皮膚をぞろぞろぞろぞろ這っている。
そも、これは、すずむしか。でも鳴いているだろうが。

り、りりりりっり、りりり
鳴くよ、 ....
優しさのグラデーション
増えた色 密度も増し 煌めきが尖るメルヘンの角
舞って秒を光の粉にして 吹いてゆく 風の小さな心臓

あなたのメッセージを見ると元気が湧く
優しくなったね 昔 ....
魂の相性が気持ちいいの
やわらかな摩擦がいい……

言葉と心を
大切に汚し、ゴミにするの

海の中の、どこかには
息ができる場所があるって
夢に見るほど、憧れてたのに
あなたにすべて ....
夏の夜に眼を閉じて世間を遠ざける
蚊取り線香の燃えていく匂い

いえ、あれは父が煙草を吸い尽くす音
いえ、あれは兄が穴を掘る遠い音
いえ、あれは舟に乗せた人にふる音

どこに行けばいいの ....
あおぞら
シーツが風に舞っている


ひとり
取り残された午後
しろい夢は
触れても何も感じえない


ただ繰り返す呼吸


紋白蝶がふわりと
青に透けて
ひらりひらり舞 ....
【さかくだり】
     
あの懐かしい橋を渡れば
蛙のひしめく道がある
いきものを ころさないように
体が傾むく川下にむかって
足をゆっくりと あるく 

あの懐かしい橋を見下ろせば ....
きみの心臓
サテンの雫
パールのマチ針で
小刻みにタックを寄せて

ずらさないようミシンで縫えば
ほら丸い

きみの吐息

ぬめりとして手によく馴染む
暗いところで静かに光る ....
病室が
まあるくしかくく転がって
赤子と死者が廻ります
消えない汚れは
ないけれど
拭えど
壁は白いから

窓を描きます
朝には消えてしまうけど

指に天体を絡めたら
柔しい繭 ....
「人は後ろ向きでしか進めない」と
偉い人が言ってました
だから時間のずっと先に行っても
私たちは過去を見ています

あんなに苦しかったことも
今から見ると
蚊に刺されたぐらい
些細に思 ....
こうもり
羊飼いの夜をたべ
眠たい指をぬすむ
みたいにして

重たい 重たい
朝が
木香薔薇の花びらより
散り散り鳴っていく

まどろみ
落ちゆく空の白い際
いまも街では恋 ....
  まるい
  光のとかげ
  うしろから頸を締めた
  深い 叫びのつぶて


  むかしのきみの幻に
  許してほしいと上目を遣った
  とっくに許されているくせに
   ....
飾らない言葉を使って
詩を書きたかっただけ

言葉の洪水に押し流されたくはなくて
言葉の香水をこの身に纏いたいだけ

とても重要なことは
とても簡単に言うことができるから
言葉遊びいが ....
霜、踏む、朝
青空をバックにしても
こころが壊れて寒いとき
こんなまんまじゃ屍人じゃないかと
泣きたくなってもこらえた見栄でも。
その夜更け。
弓張月を仰ぎ見て
心に舞う蝶、静かに回る
 ....
うっすらと
黄昏ふりくる流星群
みえない心で死んでゆく星



好きなあの人と夢で手を繋ぎ
あてどなき地の
サファリを駆けたい



恋なんて安心できたら恋じゃない
 ....
長い階段をゆっくりと
転がり落ちていく乳母車には
誰も乗っていません
あなたたちが見たくないと
目をそむけたから
あの子は最初から
いなかったことにされました

だから
母の悲しみも ....
ええ 夢です
わたしなど夢です

あなたの目にも耳にも鼻にも残らない
夢です



いちばん隅の机の上で
ちぎり絵をふたりでしました
桃のようなほっぺを寄せあっていました

ぼ ....
【公園】
躁鬱な白熱灯が
葉桜のささやきになだめられて
たわわに実った涙を
鳥が、祈るように啄んで
焦げ落ちた空へと死んでいった


【狭い路地】
ヨモギ色のトタンの一軒家
も ....
水ぶくれに縫い針を刺した
ねずみ色の朝 そうだ、サラダでも食べよう

人参を千切りにする
かなり細く綺麗にできた
玉ねぎの生食は胸焼けするから
レンジでチンして、水にさらして
レタスをち ....
パジャマに血が滲んでいる朝は
なぜか少し早く目覚める
眉をしかめシーツを確認する
空は綺麗だ



わたしを好きと言う
その唇が
おどけにも見えるし真面目にも見える
アイスコーヒ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
虫を飼う- 田中修子自由詩8*19-5-16
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追憶を燃やす匂い- 帆場蔵人自由詩8*19-5-8
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くだる- るるりら自由詩16*19-5-8
きみの心臓- 三月雨自由詩4*19-5-7
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こうもり- はるな自由詩319-5-6
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青春と詩- 立見春香自由詩719-5-4
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漆黒流星群- 秋葉竹短歌519-5-3
歴史- もとこ自由詩12+*19-4-30
夢でした- 印あかり自由詩10*19-4-26
夜の散歩- 印あかり自由詩919-4-21
_- 印あかり自由詩8*19-4-8
- 印あかり自由詩919-3-29

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