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前庭に鯨が打ち上げられて
砂が、チョウ砂が舞い上がれば
世界は揺れて空と大地は
ぐわぁんぐわぁんと回転しながら
遠ざかったり近づいたり
もしチョウ砂が黄砂のように
気流に乗るなら、あの ....
そろりそろりと剥ごう
皮をつつつ、と剥ごう
夜を剥いで朝を剥いで
私というものが
どこでもない場所で剥き出しで
死んでいる、或いは
台所で皮を剥がれた
剥き出しの野菜や肉に混じっ ....
自分が動けば影が動くことを
不思議に思ってしまった少年は
影の、また、影の連なりに戯れ続け
いつのまにか大人と呼ばれるようになり
ふと、空を仰ぐ、影が空に送られていく
少年は空にあり空は ....
サンザシの花咲き
山椒の粒、匂いはじけ
街灯がポッポッと灯り
夕餉の匂いとけだす
懐かしいその匂い
五月が過ぎてゆく
帰る家もなく
靴はすり減るばかり
腹はぐぅぐぅなるばかり
月 ....
あれはいつだったか
陽炎にゆれながら倒れゆく馬をみた
北の牧場をさまよったときか
競馬場のターフであったかもしれない
或いは夢か、過労死の報を聞いた
快晴の街角であったかもしれない
或 ....
雨の雫に濡れた畑の瑞々しさ
自然を開き破壊して得た日々の糧
だからこれほど輝いているのか
ぬかるんだ畑に足あとがみえる
だれの足あとかは知らないが
きっとだれかの足あとで
あなたも ....
そうして雲海は焼け落ちて
さよならすら許さない晴天
山を下ろう沢の流れに沿って
箱庭みたいな町に足を踏み入れて
あの角を曲がりこの角を曲がり
パン屋で焼きたてのフランスパンを
その先の ....
近所の魚屋にギターが売られていて
魚屋のじい様、年季の入った海軍御用達の
看板を磨いてぴかぴかにして笑っている
こいつはまた活きのいいギターじゃないか
そういうとじい様は息子が若い頃に弾い ....
すべての川は流れている
すべての故郷の川は流れている
耳を傾けるならその川の流れを
聴くことができるだろう
乾ききった風と砂しか入らない
窓からせせらぎが流れてくる
台所の床をひたして ....
窓から
射しこむ
ひかりに揺れる
小さな寝顔のうえで
未来がうず巻いている
シエスタ
君は宝島を見つけたのか
シルバー船長や
オウムのフリント
うず巻く海原を越えて
高らかに ....
おまえの手には
もう半ば潰れた
折鶴が死んでいた
折鶴がまた羽ばたくことを信じようとする
瞳に縋りつきたい誘惑、がある
だけど、告げなくては
いけないのだ、小さな手よ
おまえの手 ....
歌が、つたっていく
庭の忘れられたような手水鉢に
雨どいからひとしずくひとしずく
水はいつか溢れるだろうか
歌が
ひとの器から
溢れだすように
きくものをえらばない
染 ....
夢みつつ、ひとつふたつ
昼間から夢ばかり数えて
そんなあなたには猫だって
退屈を噛み殺しているわ
そんな皮肉にもぼくというやつは
こたえもせずに退屈ってのは
どんな味がするんだい、と
....
遠い火をみつめている
どこにいても遥か彼方で
ゆらぐこともなく燃えている
あそこを目指していたはずなのだ
臍の下あたりで、眼球のうしろで
わたしのいつ果てるかわからない
火が求めている ....
夏の夜に眼を閉じて世間を遠ざける
蚊取り線香の燃えていく匂い
いえ、あれは父が煙草を吸い尽くす音
いえ、あれは兄が穴を掘る遠い音
いえ、あれは舟に乗せた人にふる音
どこに行けばいいの ....
羽衣なつのさんの帆場蔵人さんおすすめリスト
(15)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
眩暈
-
帆場蔵人
自由詩
7*
19-6-25
剥き出し
-
帆場蔵人
自由詩
8*
19-6-22
かげおくり
-
帆場蔵人
自由詩
11*
19-6-20
五月が過ぎて
-
帆場蔵人
自由詩
5
19-6-19
倒れゆく馬をみた
-
帆場蔵人
自由詩
7*
19-6-11
雨後に
-
帆場蔵人
自由詩
10
19-6-8
だいたいそんなもの
-
帆場蔵人
自由詩
5
19-6-5
魚屋でギターを売っちゃ悪いのかよ
-
帆場蔵人
自由詩
4*
19-6-2
それぞれに川は流れている
-
帆場蔵人
自由詩
15*
19-5-30
午睡の刻
-
帆場蔵人
自由詩
5
19-5-28
鶴を折るとき
-
帆場蔵人
自由詩
7
19-5-27
うたとみず
-
帆場蔵人
自由詩
6
19-5-26
のんべんだらり
-
帆場蔵人
自由詩
4*
19-5-23
遠い火をみつめて
-
帆場蔵人
自由詩
11*
19-5-19
追憶を燃やす匂い
-
帆場蔵人
自由詩
8*
19-5-8
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