あなたは少しだけ震える声で
言葉を世界へ解き放っていく
それは遠い未来の記憶だ
空のこと、風のこと、涙のこと
夕焼けのこと、無くした恋のこと
あなたが生まれた朝のことだ

そんなことは無 ....
ほんとはね、考古学なんてどうでもよかったの
常識って、あるでしょ?
どこの世界に
日がな一日土掘って
見つかるかどうかもわからない土片を探すのが
大好きって女がいるのよ?
ほかに世界に ....
‪午前、ノイズを盗んで冷徹‬
‪小さな鞄を持ったまま‬
‪君は長い廊下を駆け抜ける‬
‪振り向けば残像、夏の音‬

‪正午、チャイムに隠した微笑‬
‪摩天楼の隙間から‬
‪君は鋭い八重歯 ....
冬野過ぎゆく風、

冬枯れのしろい空
痩せた私のこいびとが
その空をみあげて武器を振りあげる

冬野過ぎゆく風、

どんな性にとっても
哀しい事故も受け入れる
力を持たない空っぽの ....
巣から落ちて干涸らびた雛鳥の
虚ろな目が空を見ている
とっても綺麗だから
イヤリングにしたくなるね

ねえ、そんなに見つめても
決して辿り着けないよ?
それとも小さな魂だけは
この惨い ....
バケツに砂を入れてひっくり返して
ケーキ
おチビがスコップでぐさぐさぐさ
さして
遊んでいる

私は土いじり 癒されている

小春日和
桜を迎える心支度でもしたい

お兄 ....
安宿の食堂で
声をかけてきたのは
私たちを売った海賊だった

おっと警戒するなよ
もう足を洗ったんだ
そう笑って
手首から先がない右手を見せた

まあ利き手がなくても
美味 ....
わたし 娘だった頃 夜歩くのが好きだった
公園の木に挨拶し 
のみならずこっそり名をつけて
木の肌に手を押し当てては 
そっと名前を呼びかけた
誰もいない真夜中ならば 
抱きしめたりもした ....
万が一、
この貴方への想いが熱をうしない
わたしの心が疲れ果ててしまい
手をつなぐ掌さえ、
気色悪いからと、
イヤになってしまっても
それでも貴方からは、

貴方はわたしを
けっ ....
舌に絡まる火酒のような色恋沙汰には もう飽いた
冷えたその肩 ぬくい翼で癒やしたい そう思うのさ
舌に絡まる恨み言なら くちうつされてもかまわない
笑い飛ばして耀く君を わたしの翼で孵すのさ
{引用=米カリフォルニア州の出張先にて父危篤の報に接した日の深夜一時、外に出て見上げた空に浮んだ月を見てゐるうちにふと現れたことばを記した。その約六時間後、日本時間の八月十日午後十一時五十七分、父逝去 .... バスを降りて、すこし小高い場所にある停留所から
なだらかな坂をくだっていく
昔、万博が開催されたこともある街

坂をくだりきった道の角には
くたびれたカボチャやスイカを段ボールに積みあげ ....
婆様は星を食う
深く皺の刻んだ麒麟のような手を伸ばして
星をとって食う

婆様たちは星を食う
己に尽きかけた希望を
語ろうと

枕のない寝所を少しでも暖めようと

星たちは小さな虫 ....
 テーブルの上に、あした買ってきたりんごを置いてあると言う。
 もちろん、そんなもの私には見えない。母だけが見ることのできるりんごだった。

 今朝も雨が降っていた。桜の季節はいつも雨に邪魔され ....
にわか雨が去ると
真冬の風が通りみち
樹木も人も躰を震わす
「バーイ!」
「バァーイ!」
交差点の娘たち
無敵の若さにさざめいて
もっと綺麗な明日に生きる
ヒラヒラと手を振って
ひと ....
トイレから出ると
首の長い女性が
宙に浮かんでいた
待ちきれなくて
こうなったのか

トントンって
ノックしてくれたら
途中で出てあげたよ
可哀想に僕のせいだ

フローリングに
 ....
 
 
 
 
 
  空に浮かぶ
 
  白い雲たちは
 
 
 
  地上の山に
 
  ぶつかる
 
  風の抜け殻
 
 
 
 
 
 
  雲は ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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