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思い出の匂いに包まれて
僕は今日も仕事に出かける
僕の記憶の野原には
たくさんの思い出が咲いていて
とりどりの匂いを発している
どんなに苦しい思い出もかぐわしく
とりどりの色彩を競って ....
{引用=
こわれた家で待っています
むかし きいたことのある
こんな声、です
「死んだ子たちはけだかいので
星になったりしません
晴れ空に光がみちるだけです」
(おし ....
ああ
ぼくの心はまるで子どもだ
楽しみが近づいてくると
待ちきれず眠りも忘れそうになる
いざ眠ればそれを夢見る始末
そうなれば
忘れてはならない言いつけも
遊び飽きたボールのように
心 ....
巨大な宇宙の夕焼けが
今日も雨降りの向こうにやって来る
私も君も雨に濡れ
その時をじっと待っている
今日という日を取り逃さないため
在ることの不安に呑み込まれないため
祝祭の刻を、永劫の瞬 ....
些細な会話に植えられた
人を伸ばして育ててゆく一粒の種。
分け与えた優しさは感謝のこころとなって
何処かで必ず
大きくて明るい灯火となる。
降り続く雨に
赤い薔薇は薮の中
凛と咲き誇り昔日の
君の面影、呼び起こす
*
この雨のなか
はしゃぐ子らの声上がる
病棟の窓辺のやるせなさ
*
一雨毎に色深める
....
暑い
むしむしと暑い
〈病院の冷房は皆さんの健康のため26度設定です〉
自律神経失調症の僕は
ぼうっとしてしまう
ぼうっと遠い海を思う
青く涼やかな海原が
静かにたゆまず波打って
潮の ....
私の心は鬱々と
外は晴れて燦々と
闇と光が交錯する
)眩しい戸外の緑の群れ
)俺は眼からそれをむしゃむしゃ喰う
)光で闇を圧倒せんと
)眼からそれをむしゃむしゃ喰う
私の心は鬱々 ....
咲き誇る紫陽花
憂鬱な思いに
濡れたふくらはぎ
閉じられる傘
*
雨上がりの明るみ
触れ合う額と額
優しい石鹸の匂い
音楽を流していると
真正面から聴いていて
それに引き込まれ
これをストレス発散と言うのかは分からない
他にすることがある
けれどこの時間は命の時間
自分に耳があって聞こえること
そし ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた
突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた
夏 ....
大気のハロー、青い地球
緑は再び燃え立って
私は自分を忘却し
無限の彼方に身を委ねる
)すべて、すべては去っていき
)果ての果てに眩めくもの
)思考の遥かに見出されるもの
(〃詩 ....
朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤 ....
お昼を食べて 抱っこして
背中とんとんねんねした
母はソファーにべっとりくっついて
あえて身動きを止める
目の奥の疲労がじゅわーっと広がって
夕方には足の裏までぐおーって届く
....
今日はのどかな高曇り
光の空が白く白く
一様に広がっている
僕はといえば病院の
外出許可を得てあてどなく
何処までも歩いていく
心も体も魂も
〃身一点に〃*凝集していく
そんな ....
きらきらと
波に
浮かんでいる
朝
パラソルは
遠浅に
沈められて
いく
ぬるくなった缶コーラ
汗をかいてギラギラ
照り返し
身をよじる
光
のように
探している
....
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草花よ
おまえはひねもす風を受け
静かに黙って花開かせ
静かに黙って枯れてゆく
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草木よ
おまえはひねもす風を受け
遠いふるさとに ....
喉を枯らして 泣いた
あいつのことば……
むかしのことさ
喉を枯らして 泣いた
また、この夢か……
でも、いま僕は
「おはよう。」って
声をくれる君がいて
「… ....
ついこのあいだまで
さくらはいつさくのだとか
ついさっきまで
つゆはいつまでだろうだとか
きょうひとひらのアゲハチョウが
ひらひらとにわをただよって
ヒューとふいたかぜに ....
私が一つの内面を持つのならば、
宇宙も一つの内面を持つだろう。
私が笑い悲しむのならば、
宇宙も笑い悲しむだろう。
ああ この壮大な宇宙の夕焼けに
貴女はまたしても遠去かっていくのか ....
ソーダ水の
薄い、みず色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった
初夏の早朝に舞い降りる
冷気のビロードで
肌がひんやりする感触が
心地よい ....
2000年活きた思想を知る者たちよ
星雲の目でこの惨状を見よ
わずか365日前に
お前も
お前らも
震撼した恐怖でさえ
忘却してしまう
しらばっくれた態度をと ....
あんたの口癖
どうせ敵わないなら
やらない。とか
どうせ叶わないから
成らない。とか
あんたの言い訳
やらない。成らない。
そんなんじゃない
どうせやれないし成 ....
うつらうつらする
この午後に
鳥は囀ずり
地は照り映え
私の憂鬱と倦怠は
一吹き風に溶けていく
)なんて優しい午後だろう
)遊ぶ子供の声が窓辺から
)うっとりゆっくり流れ込む
) ....
あわ粒に記号をふったり、
オルゴールのはじく金属の突起をおいかける
午後、まだ日のたかい街をうろうろして
存在という妄想を
あじわっている
からだの外がわで
世界と 物事が
....
雷が遠くで鳴っているという事実を
私の手元に彫り込む
なんて事のない世界を見つめている
幻の七色の心地よさも受容し
足の裏の磁石でバランス良く歩く
さらさらした砂の表面を擦る風の ....
みんなに負けないように
風に向かって自転車を漕いでいる
何かに負けないように
風が吹いていなくても一生懸命漕いでいたから
風が吹かない日には
風の風上に立ったのかと思う
風を感 ....
僕の前で、夜が眠っている
永遠にどこまでも続きそうな橋の真ん中に
巨体をぐっすりと横たえたまま
乗客が僕だけの列車は先に進むことができず
夜の鼾のような発車のベルが響くなかに停 ....
石と薔薇、石に薔薇
逃れ去る永遠は
石に薔薇を刻み込み
無数の棘で肉を刺す
失われた日々よ、〃無限の〃想い出よ
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