すべてのおすすめ
きみとなにかを分け合う様に生きていたいとおもう
からっぽのカゴの自転車のままで自由を走ろう
所有することなしに生きてゆくことも良いのかもしれない
手にするものすべてはさよならをはらんでいるか ....
よく晴れた十月の午前
山の上の一軒家にひとりで住んでゐる松倉さと子さんのところに
郵便局員がたずねてきた。
「ごめんください、お届けものです」
「あら、何でせう」
「どうぞ ....
母の手は魔法使いのように
何でもできた
欲しいものを
何でも作ってくれた
「母の手の中の林檎が
うさぎになってゆく」
いつも傍で見ていた
幼いわたしを思い出した、朝
ブランコが
風に
揺れ
止まったら
音も
止む
ブランコが
止まったら
寒月も
マネをする
夜の都も
時
止まれ
とか
そんな
願いは ....
僕は責任逃れのために
何度も嘘をついた
巧妙ではなかったけど
バレないように知恵を使って
きれいな言葉を沢山知っていたから
たくさん汚く使った
そのうち無くなっちまうさ
汚れてな ....
うそみたいな
ねいきを立てて
みるく色の
おひさまのはーぷに
なでられて
しずかなおとが
きこえます
とおい とおい
そらの つまさきまで
「こんにちは」
....
空の手が降りて
僕を
私たちを包み
舞いあがる
遥か昔から変わらない
かすかな風
に含まれる潮騒
意味なんてなにもない
ただそこにあるものを
受け入れて
そのまま受け流す
そ ....
君のそばには、いつもきれいな空気があふれている。
ひょっとしたら君は、植物なのかもしれない。花なのかもしれない。
君のそばにいると、あたたかい気持ちになる。
ひょっとしたら君は、陽だまりなの ....
人と話すことを覚えた
寄り道を覚えた
変わることを覚えた
なににも従わない
虹の入り口を知っている
あなた、
昇らないのは
透明な髪と透明な羽を持たないから?
吊るされた人の
子どものころから消えない孤独の性が
引き攣った泣き ....
100年後の日本より大事なこと
それはLGBTの方たちの人権
この国の行く末なんかより
人権のほうがずっと大事なのだ
100年後の大相撲より
獣医学部新設より
....
生が実存であるように
死もまた実存だと云ったら
きっときみは口を尖らせ否定するだろう
現実主義のきみのことだ
死をこの世から去った無だと反論するだろう
でもぼくはそうは考えてはいない
....
僕らがきかされた
歌のやさしい結末を
たえまない線香花火の香りが
明日へいざなってくれる
誰も地面に灯る明かりを愛しげに
みおろしているのは
「そこにはみるべき花火があるだろ ....
創造の小箱がきみの中にあるんだ
しこたまきらめきをため込んだ素敵なやつだ
誰にもさわれない特別な意匠がたくさん隠されている
想像の炎はときにきみを炙りあげるかもしれない
それでもそれを消さ ....
重く幾重にも垂れ込める
雨の幕をくぐりぬけてゆくと
壮麗な両開きの扉があらわれる
その扉がひとりでに開くと
そこからまばゆい真夏が
一気にほとばしるのだ
かみさま、あたしは、
あなたが好きなのに、
好きだから、なんだか素直になれず、
少し攻撃てきに
口きたない言葉を
並べたてたり、するんだ。
かみさま、あたしは、
なんだ ....
僕が生まれた日に
鳥は逃げた
命を貰ったような
気がして
空を描くことを
続けている
本当は飛べる
力があるのに
落ちることばかり
心配してさ
そうならないように
愛を描いて ....
うおお
雨が降っているぅ
と叫びたいのに
憚られる想いがして
綴るに留める
世知辛い世の中になったものだと
時世を不愉快に思いもする
だからといって抗うこともできず
為す術もな ....
名も付けられぬとりどりの色をしている砂の文字列に埋もれて
やわい肉を縮めこませ
耳を塞ぎ
あなたに握りしめられればその途端
脆くパリンとわれてしまうような
うす青い貝になってしまいたいときが ....
服従は自由の敗北ではないときみは言う
何も考えなくていい
何も決めなくていい
それは重荷をひとつ減らすことだときみは言う
支配されることも同じだ
言われるままに動けばいい
逆らうことな ....
夜の月光に
静かな羽根がやさしく舞います
てのひらを胸にあて
赤い血のつながりを確かめます
メガネの少女をいつものバス停でみかけました
そのときのその心には、
けっして忘れない ....
潮風で錆びた蝶々の羽根が
砂浜に沿って転がっている
波打ち際で動かない体が
螺旋を描いて燃え尽きそうだ
溜め息で模様が変わる羽根は
貝殻のように折り曲げられて
夜になって隙間をのぞ ....
黒雲に覆われた空から
雷鳴降り注ぎ
驟雨の中を
啼き騒ぎながら飛ぶ鴉
うららかに
影が伸び逝く
削られた肺の形に
木の葉が揺れる
今年だけの命が昔から
そして遠くまで
まる ....
君の無限のてのひらが
僕の手に絡まり有限になった
いつだって君の全ては無限だったのに
こうしてつながっていると有限になる
君の血液が僕の体をめぐり
君の思考が僕の脳をめぐる
一瞬の緊張 ....
樹木に絡む細い雨
しっとりした芝生
鳥たちの早すぎる朝の歌
あなたは夢見る髪の渦
傘を差そうか差すまいか
照り返す水の雲
ほどけ去る踊り子の
糸つれひとつ引くように
白いけむり青く ....
あなたの
爪をきってやるの
忘れていた
過去がひとつづきだと
まるで信じがたい
新品の朝
お湯はいつもどおり
湧くけれども
忘れながら
愛すと決めたのに
髪は伸びる ....
甘えてみる
ゆるしてみる
邪険にする
やさしくする
怒ってみる
怒られてみる
まくしたてる
いじけてみる
へつらってみる
傷つけようとする
傷つけられようとする
愛そうとする
....
ストローで
シャボン玉を
吹いたなら
優しさや不安を
包み込んだ
虹色の
回転ドアになって
割れないように
高く高く飛ぶ
心を吐き出す
みたいに
シャボン玉が
空を奪い合う ....
酒は一滴たりとも飲まない
煙草は体が受け付けなくて
ギャンブルなんてとんでもなく
女性は妻以外知りません
以上のような人生
何が楽しいのか
自分でも解らない次第です
自分に対して ....
花は枯れても
泣いたりしない
花は踏まれても
怒ったりしない
天を
恨んだりしない
花には微笑みしかない
それが花の贈り物。
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