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去年の冬、
いつの間にか僕のポケットに滑り込んできた君の右手、
今は、誰の手を包んでいるんだろう。
今度の冬、
僕の左手は、ポケットの中でひとりぼっち。
あまい声で
怠惰を呼んで、呼んで
とおく、遠くを見つめたまま
しだれたしっぽを揺らす
羽虫を追う
窓辺の
小さなひかり
ああ、どうしたんだ?
体が、まったく動かない
これが「金縛り」というやつか?
真っ暗で何も見えない!
あっ、何かがドアを開けて…
ああ、体が、宙に浮いている!
「うわっ、とれてるとれて ....
使用法
1.側頭部の耳部の穴に金具をはめこんで
ぜんまいをいっぱいまで巻きます。
2.胸部の扉を開けて、歯車に油をさします。
※足りないと錆びますので、少し多めにさしてください。
....
最近はやさしくないよ
無理しない
黙って包丁を砥ぎたい
パンの切れ味のいいように
上手い砥ぎ方を教えて
誰か
そんな暇な人いないね
そうやって
すぐ結論だす
話し方を
忘れたよ
....
方言は
歌である
メロディに
心乗せて叫ぶ時
北も
南も
無くなり
誰もが
心の中心に
....
あ ほ ほ ど キ ス を し ま し た
あ ほ に な り ま し た
今日はあまりにもいい天気で、つい目を細めます
白いガス状の雲から、地球を覆う空の青へ
境目がわからず綺麗に空へ
言葉足らずの私は
なんて綺麗な空だろう
こんな月並みな言葉しか ....
牛カルビ焼が食べたいと昨夜
寝床で想い欲求
今朝
少々フラつきながら買い物に出た
はじめのスーパーで桃の缶詰
ほかに入用なものを探してカゴに入れて回るうち
空調 ....
嘘をついてはいけません
嘘をついてはいません
手のひら返して
電話は居留守
聴こえてくる言葉は励まし
自分に宛てられたものではないのに
心に染み入るのは
一種の才能
思いを形に変えることは難しいけれど
そのままの思いを受け止める人は確かにいて
....
身体の輪郭が
強調された服を着ている女の
裸の図を想像している
それはまるで
男の日常ではないか
「健康な」と
頭に付けてみたり
健康な女は
男の裸など
想像するのか
....
わたしはまた
鱗をひとつ剥がしてしまった
薄い虹色の
「ごめんなさい」を
三回言った
まるで
申し訳なさのないのを
隠すかのような
99 ....
揺すりませんけれども
揺すっても
もう二度と起きないような気がするほど
深いところに行ってしまったような
今夜のあなたは
自分の進んだ道によって
苦しめられている
気がしてならな ....
足の爪を切ってくれるんですか?
お断りします
自分でしますから
その節はありがとう
どうにも
せり出したお腹が苦しくて
足の爪が切れなかったんです
....
風 船 を 手 に 持 っ た ら
宇 宙 ま で 飛 ん で い け る か な 。
「ホーム」 「ホーム」
あなたと私 君とぼく
線路にほんぶん ....
『明日なんか どっかいっちまえ』
浸とした夜の深みは
車のガラスを曇らせて
一人の気分に
寂しさを上塗りする
街明かりのない場所では
星空を大きく見せた
冬の寒さを思わせる空 ....
増えていく 母親{ルビ草=グサ} 父親{ルビ草=グサ}
友だち{ルビ草=グサ} 恋人{ルビ草=グサ}
どぶ川の{ルビ草=グサ}
高校生の少女はまだ
規制されていたので
母親{ル ....
朝、いい天気のようだったので
写真を撮ろうとカーテンを開けると
空にはたくさんマヨネーズが浮いていた
空中にマヨネーズが浮いているので
空の写真が撮れやしない
ここのところお天気 ....
はじめてこころのなかに
さいたたんぽぽのはな
かぜにからだをばらまいて
ぶんしのように
げんしのように
そりゅうしのように
たびにでるたび
かけらひろいあつめるたび
(霧がする ....
次から次へと
浮かんでくる
悲しい思いを
言葉にしないで
静かにそっとしておきます
息を吹きかけたら
どんどん膨らみ
動きまわりそうだから
おとなしくしてなさいね
しばらく
....
荒んでしまうから
自分の一画だけはきれいにしておく
飾らない
飾りはきれいにするときに邪魔だから
テレビなんか見ない
見たいけれど
それどころじゃない
....
生きてるものは みんな
死亡率100% です
いつ どうやって 死ぬんでしょうか
もう 笑って死ぬことは
できそうもありませんが
さて 何かを 残せるでしょうか
....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....