すべてのおすすめ
涙は
流れることを許されず
瞳にとどまっていた

雨が
かわりに泣いてくれたので
辛うじてプライドを保っている

物語は
最終章を目の前にして
頁を閉じられた

栞を
 ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
宣告を受けた日
私たちは意外なほど冷静だった
それはおそらく
屈強な父の姿には癌という病名が
あまりにも似つかわしくなかったからで

父はいつもの如く寡黙だったし
私 ....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤


夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅


ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う


い ....
月の夜にほろほろ酔い
虫の音聴いて踊り出す
モミジの葉陰の魔物たち

ヒガンバナが燃えてるよ
ワレモコウは眩しくて
そっと瞳を閉じている

秋の月夜はきれいだね
アケビの露を ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
寝顔だけは
どんなことをしても
取り繕えない

赤ん坊も
うら若き乙女も
お髭の立派な紳士だって
枕の上ではあどけない顔をして

お医者さんも社長さ ....
強い信念があれば
幼子の指一本で
巨人を倒すことも出来る
二機の飛行機が
大国の象徴を滅ぼしたように

しかしその信念は歪んでいたために
多くの生命を無駄に奪い
 ....
あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で

何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって

愛するみんなが見守る中で
頑 ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
やはらかな ひかりの かけら

あつめて はなつ かほり

かぜの おびを ほどき


めざめよ


とほき ゆめの かなたより

はなは あさに ひらき

とりは ひ ....
雨の夜
宙に惑うのは
報われなかった
言の葉の亡霊たち

人を傷つける為に生まれました
見下す為に生まれました
罵倒する為に
揶揄する為に

己に言い訳する為に生まれました ....
ぱさぱさと干からびて
色褪せてしまった
大学ノートを
赤い爪先で繰りながら

ため息ひとつ

セピア色と呼べば
聞こえはいいのだけど
少女じみた丸文字の
拙い言葉の羅列が苦 ....
カエルじゃないよ。
実は王子なのさ。
魔法にかけられてるんだ。
はやく解いておくれよ。
とりあえずそこのキミ!
カメラなんか構えてないで
キスしておくれよぉ。
 ....
月のしずく
やどる草陰

いともたやすく
朝陽にとける

心ころころ
恋心にも似て

儚きものこそ
うつくしく

しばし留めん
愛しきすがた
あ〜あ。
暑くてやってらんねーな。
バイトも楽じゃねーな。
背中のファスナー
誰か下ろしてくんねーかな。
アナタは毒

ワタシの中で

ワタシを乱す


独りになると

とまらない震え
色褪せたペディキュアの朱 もの憂げな視線で足を組み換えてみる


この浴衣ひとりで着たの?と囁かれ耳が火照るのに あぁ今日はダメ


その後の貴方の舌がつめたくて気持ちいいから抹茶 ....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた

ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
 ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない

涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
からっぽだから
蒼いの

とうめいな翅を
ふるわせて
飛んでいったから
からっぽなの

埋めようとして
あなたが
抱いてくれたとしても
満たされないの

満たされない ....
紅い雲を眺めながら
飛ばした自転車の
速度とか

漕いだペダルの
重さとか
まだ鮮明におぼえてる

あの日の風は
ことさらに透明で
沈んでゆく太陽の  ....
たりぽん(大理 奔)さんの落合朱美さんおすすめリスト(82)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
煩う恋- 落合朱美自由詩18*05-10-15
風葬- 落合朱美自由詩42*05-10-8
宣告- 落合朱美自由詩20*05-10-1
照葉- 落合朱美短歌14*05-9-25
- 落合朱美自由詩8*05-9-22
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
寝顔- 落合朱美自由詩12*05-9-15
2001.9.11〜あれから〜- 落合朱美自由詩15*05-9-11
秋桜忌- 落合朱美自由詩16*05-9-10
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
ときはなつ- 落合朱美自由詩12*05-9-7
言霊- 落合朱美自由詩11*05-9-6
侵食- 落合朱美自由詩11+*05-9-6
カエルだけど- 落合朱美携帯写真+ ...9*05-9-4
白露- 落合朱美自由詩12*05-9-2
哀愁の横顔- 落合朱美携帯写真+ ...10*05-8-25
タンドゥール・プワゾン- 落合朱美携帯写真+ ...7*05-8-24
夏の果- 落合朱美短歌11*05-8-13
犬的思考- 落合朱美自由詩9*05-8-9
羊飼いの歌- 落合朱美自由詩40*05-7-17
うつせみ- 落合朱美自由詩11*05-6-17
夕陽ヶ原- 落合朱美自由詩9*05-6-9

Home 戻る 最新へ
1 2 3 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する