やさしい音
かんな




薄っすらと
はった氷を割る
秋が終わる音がする
霧がかった紅葉の
空がまだ青い
辿る記憶の先に
肩車をする夫と
肩上のわが子
手を振る
生きることとは
悩み過ぎ去ったある日
風景が少しなびく
落ち葉を踏みしめる
やさしい音がする




自由詩 やさしい音 Copyright かんな 2018-11-17 17:35:49
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