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カエルばかり鳴く夜にみた夢のこと
口から泡をふきながら
肝心の言葉が出てこない
夢日記のページは埋まっても
あとで見返せば
何が書いてあるのかわからない
単語と単語の間を繋ぐ接着剤はピンク ....
暑くなりましたね
駐輪場にて声がした
それは幻聴ではなくて
知り合いではない
とおもうがどうだろう
わたしの記憶に自信はない
いまのところ
覚えがないことにしておこう
暑く ....
右腕の痺れと乱視と空腹と眩しさと
カイロウドウケツの中で一生を
眠っているうちに過ごした気分だ
ゆるく握った手の中に
かなしみの感情だけを残して
早朝に目が覚めてしまった
歪む顔を隠すよう ....
すこしでもふれたら
翅の先で切れてしまいそうな
赤蜻蛉の渦のなか
一歩も動けそうにない
まばらな雲だけが
夕暮の残りを反射して
足元はもう
とろけて
かたちがない
帰らなくち ....