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なつかしい感じの家を見かけたので
インターフォンを押してみた
現れたのは見たことある顔
なんだ、わたしじゃないか
あちらはあちらで驚いたよう
とりあえずどうぞ、と
室内へ招かれた
リビン ....
平日がやってくる

少し傷ついて
少しなぐさめて
そのうち
何も気付かなく
そのうち
何も感じなく
やがて
何も呪わず
やがて
何も祝わず

平日がやってくる
爪弾く指は
同じところを行ったり来たり
そのくせしばらく経つと
悲しみを言い当てる
   
もどかしさの中に
光とどまる
 
存分に
やさしくなるといい
それは権利

そして好 ....
あの日の津波で
何万のペンが
流されたことだろう

たった一本
生き残ったペンは
誰かの胸のポケットに
しがみついていた

ペンはまもなく
もとの暮らしに

書くものは以前と同 ....
君も詩人なら
透明なペンくらい持ちたまえ
黒い万年筆とか
青いボールペンとか
そんな当たり前のペンで
満足しているようじゃだめだ
透明なペンなら
どこにでも言葉を書くことができる
しか ....
その店は
聖なるものを売っている
行けばすぐわかる
店の奥から
神々しい光が溢れているから
価格は無料
望むなら誰でも
聖なるものを
受け取ることができる
けれども開店以来
買い手 ....
リョコウバトはハト目ハト科の渡り鳥である。鳥類史上最も多く生息していたとされ、一時の個体数は、五〇億羽に上ったといわれる。

巨大な群れをつくるのが特徴で、二二億三〇〇〇万羽以上が推計された記録も ....
ドーナツ一つあれば
生きていける

午前に半分
午後に半分
   
真夜中に
真ん中を
   
あることと
ないことは
何がちがう

考えているうちに
眠ってしまった
ペンのインクが切れた
詩人は詩が書けなくなった
けれども書けない本当の理由は
それではないことを知っていた
切れたのは
ペンのインクではなかった
仕方がないので
詩人は庭に木を植えた
 ....
季節がページを
めくろうとしている

たくさん笑ったり
たくさん間違えた
日々のあと

何をしていたかなど
誰にもわかるはずがない

星だって
知らないうちに
夜に星座を描いて ....
ペンを持たされた人がいた
親からか神からか
それはわからなかった
そのペンは
インクが尽きることがない
どこにでも落ちているような
ありふれたボールペンなのに
いくら使っても
書けなく ....
世界で一番
小さな空港からは
一番遠くまで飛ぶ
飛行機が出るという

帰りの便はない
行ったきりそれでおしまい

だから飛行機も
使い古されて廃棄するだけの
年老いた機体ばかり集め ....
夕日と話した

  そろそろ
  いいかげんにしろよ
  そろそろ

わかったようなこと
言うやつが好きではない

職場から見る夕日
自宅から見る夕日
電車から見る夕日
国道か ....
幽霊の朝だ

右手をあげて
おはようのあいさつを
それは別れの
あいさつを兼ねている

かなしみが鳥のように
肩にとまっているから
身体は右に傾いている

よろこびが鼠のように
 ....
青の名前を言いなさい
身体の中に滴り落ちる

かなしみの青かな
しあわせの青かな

どちらでも
同じようなものかな

そんな鳥を見かけませんでしたか
そんな空を見かけませんでしたか ....
深夜
トイレに行こうと
リビングを通ると
ソファの上に
黒ヒョウがいる
最近夜中に
庭をうろついていることは
知っていたけれど
とうとう中まで入ってきたのか
さすが
食肉目ネコ科
 ....
朝目覚めると
ライオンになっていた
金色の鬣
大きく裂けた口に鋭い牙
威圧的な眼差し
洗面所に立った私は
鏡に写った自分の顔に驚愕した
慌ててリビングに駆け込むと
家族は初めこそ
困 ....
助手席に猫がいる
仕事を終えて帰ろうとすると
どこからかやって来て
そこへ座る
猫といっても猫らしくなく
長靴など履いて
シートベルトもきちんとしめる
近くの事務所に勤めているらしいが
 ....
私の家には
借りてきた猫がいる
私が生まれる以前から
それどころか
祖父の代よりもっと前から
この家に居座っているのだけれど
どこかから借りているものらしい
そのくせすっかり家族の一員で ....
晴れているのはしあわせ
雨が降るのはふしあわせ
傘を差すのはしあわせ
目が乾くのはふしあわせ

日曜はしあわせ
月曜はふしあわせ
出会うのはしあわせ
知らないことはふしあわせ

い ....
冥王星に別荘を買ったんだ
有名なハート模様の
ちょうど真ん中あたり
部屋の床下の
階段を下りてゆき
扉を開けると別世界
別荘といっても小さな平屋で
あるものといえば
テーブルとソファだ ....
電灯の下にいる

善でも
悪でもなく

ただ
音楽を聞いている

愛しも
愛されもしないで

電灯のはるか上方に
木星がある
わたしのなかから
遠い声がする

ふるさとよりも
遠いところから

その声にさそわれて
わたしはどこかへ
帰りたくなる

子供の姿に戻って
犬の姿に戻って
蝶の姿に戻って
そ ....
ふたりが離れてゆくときは
理由はなにも言わなくていい

ただ一冊の青い本を
ふたりの間に置けばいい

ページをめくれば顔を出すだろう
散歩していた黒猫や
わずかな値段で売られたスズメ
 ....
サキソフォンが夜の道を歩いていた
あたり一帯高級な黒の絵の具を塗りたくったようで
サキソフォンだけが金色に輝いていた
暗闇は光を理解しなかった
途方に暮れかけたころ
黒くて大きな人がどこから ....
仕事をさぼって美術館
展示室をうろついていると
赤いワンピースの女がついて来る
立ち止り絵を眺める横で
ぼそぼそと蘊蓄を語るのだ
頼んでもいないのに不躾な
学芸員にしてはずいぶん
粗野で ....
空丸さんのやまうちあつしさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
にせもの- やまうち ...自由詩222-11-9
平日- やまうち ...自由詩322-6-9
もどかしい光- やまうち ...自由詩122-2-4
This_is_a_pen- やまうち ...自由詩9*21-11-16
透明なペン- やまうち ...自由詩521-5-15
聖なるもの- やまうち ...自由詩2*19-2-18
最後の一羽- やまうち ...自由詩119-2-11
ミスタードーナツ- やまうち ...自由詩319-2-6
詩人の木- やまうち ...自由詩8*19-2-3
自画像- やまうち ...自由詩3*19-1-22
This_is_a_pen- やまうち ...自由詩219-1-11
空港ピアノ- やまうち ...自由詩11*19-1-7
会話- やまうち ...自由詩119-1-5
可不可- やまうち ...自由詩719-1-3
kind_of_blue- やまうち ...自由詩3*18-12-24
黒いヒョウ- やまうち ...自由詩118-6-14
金色- やまうち ...自由詩218-5-18
猫次郎- やまうち ...自由詩7*18-5-10
借りてきた猫- やまうち ...自由詩3+18-5-5
幸福論- やまうち ...自由詩4*18-2-21
別の幸せ- やまうち ...自由詩6*18-1-28
小市民- やまうち ...自由詩218-1-17
遠い声- やまうち ...自由詩9*18-1-13
青い本- やまうち ...自由詩6*17-9-2
サキソフォンが夜の道を歩いていた- やまうち ...自由詩4*17-8-26
絵心- やまうち ...自由詩4*17-8-21

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