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この糸のほつれをそっと咥えて
赤錆びた握り鋏はその蓮の手の中――
信仰と諦念の{ルビ臺=うてな}に眠る 享年「 」
景色の皮膚を剥がした
耳は遠く
階段を上り下る
橙色の帽子 ....
自由の匂いがする
日暮れの風
孤独の味がする
街の夜気
ひとり日と夜
時が流れる
日に光るジンロックの
背徳性
灰色の地に落ちる
北向きの窓
かつての日 ....
俺はゆっくりと落下していた、だがそれはもしかしたらあまりに高くから落ちているので、ゆっくりと落ちているように感じているだけかもしれなかった、全身を包むように猛烈な勢いで吹き抜けている風が、「もしか ....
ラウンジでくつろいでいると
アブが飛んで来て
前歯がくすぐったい
娘のリラが微笑(ほほえ)む
乳母の介入を五月蠅(うるさ)く思う
ボールが飛んで来ると避ける
俳句に反対する
羅漢像を拝( ....
基本的に俺の詩はアメトーークと連動してる
(怒り新党とも連動してる)
から今日は勿論ゴルフ大嫌い芸人だ
というのも昨日ゴル ....
泥鰌
アイロン
アカゲラ
きみに殺してほしい、って
それ以上の愛の言葉を
わたしは知らない
どこかで依頼殺人のニュースを知って
それを美しいと言ってはいけないこと
わたしにだってわかった
死ぬことで証明できる愛 ....
囲まれて身動きが出来ない
愛して欲しいと叫ぶ奇形物や
世界中の何処にでもあるような複製物
に、囲まれて
何か変えて行きたいと、
単純で純粋な3%の場所に立ち、
未知の創造の72%と向き ....
な ま あ た た か いかぜが、
すぎた
メラニンスポンジみたいな手触りの、
私は 電 車 を 待って
いた。
ずっと、ずっと、待ってい た。
回送電車が通る。
....
象
高速道路
リンゴ
使い古した デンデン太鼓
いま 取り出して
幼きころを 真似してみても
張りがないから 濁っている
濁っているから 死んでいる
ねこじゃらしが空を くすぐっているあいだに
蛇が玄関を激しく叩いたことがあった
蛇足めいた説明は一切いわない蛇だった
ただただ呪いの言葉でできた体躯ごと体当たりで 戸を叩く
あまえ ....
こころの海が凪いでいる
お魚たちはお昼寝中
釣り人の居ない海だから
夢のなかまで夢のなか
おなかの空かない海だから
互いに興味を持ちあわず
とわのお魚お昼寝中
とわのとわまでお昼寝中
....
齢
椎茸
まほろば
気持ちの悪さを拭うことができず
項垂れてただ時間を過ごす
誰かのせいにしたいけれど
八つ当たりすらできずに
誤魔化す方法を探してる
握り締めた拳を天に向けて
それから振り下ろして地に向け
....
あの目を見てごらんなさい
衝動に駆られている
誰とは申しません
あなたたちかもしれない
特定不可能
表現者となった目
込められた何か
何とは申しません
遥か彼方に居る
眼 ....
無数にドライバーを突き刺され
美しきあなたの肉体よ
鋼鉄の逞しき肉体よ
それが端から崩されていく
何百人もの工員があなたの上を這って
いやらしく群がっては蠢いて
そしてみずみずしい肉体を剥 ....
腹が重くて熱い
宇宙人みたいに侵入してくる液体と肉体の中間
ぼうっと天井を仰ぐ、
感慨はとっくに向こうへ行ってしまった
ひとの匂いは苦手だと思う、
軀が脳から剥がれてしま ....
水はけのわるい布団で 寝汗をぐっしょり
その上を歩くと 足下から不快な感じが
ねっとりと ただ 感 情 が
あふれ出していた ので。 冷蔵庫
開けたんですね、暗い部屋で。
ぼんや ....
指の腹で虫を押し
断つ命
確かに確かに
桜ドロリと溶け
葉桜は墓標
毛虫湧く
もうすぐもうすぐ
もうすぐに暑い季節が来るから
せめて夜だけでも涼しく
すやすやすやすや
団扇ゆっくり ....
深甚
鯨
河童
離別すること
それははじまりである
丸い空が
しわがれ声をあげて
許しを乞う
そのとなりで
友はしずかに
そして
激しく雨になる
空がにわかに
なまりを
たくわえてく ....
希望
うぶごえ
暗転
ぜつぼう
――その手に
何を握りしめていたの
何を掴もうと開いた瞬間に
何を逃してしまったの
夜が訪れるたびに
ただまるくなってまるくなって泣いて
( ....
二〇三高地を狙って
突撃を繰り返す
我が軍に原子爆弾は落されて
戦艦ゲイ号も沈む
翌日の記事の
原稿のゲラ刷りも間に合わない
実証主義的考えが
蔓延(はびこ)って居て
二〇三高地は中々 ....
あじさい
くまモン
小百合
勉強机の角に
一番敏感な
敏、敏、ビンラディンを
擦り付けたら
とても気持ちいいことに
気付いた30年前の4月
世界にはまだ
自分の知らないことが
たくさん、たくさんあって
毎日がと ....
正論は武器
わたしを罵っているあいだ
さぞかし気持ちがよかったでしょう
わたしが謝るのは
あなたを見下しているからです
憐れんでいるからです
そんなことにも気が付かない梨の花
ごめん ....
夕焼けが
ずいぶん遠い
空から少しずつ
はがれている
ジャングルジムの端にのっかって
かくも心弱く生まれついた
わが身の不運を嘆いている
いじわるのよしきくん
ぼくの手放しの抗 ....
ひかりをやぶき
いくつものかたちが
そのかたちをしているのをみる
それは偶に 惨めなことだ
夕焼けに似ていない
コロッケに似ていない
どうでもよ ....
いったいこの夜の誰が
朝をつれてこられるだろう
あんなに熱い背中をして
泳ぐみたいに生きたのに
6月のくまみたいに不機嫌になって
木の実や空洞をぱりぱりかじりながら
いくらでも理不 ....
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