すべてのおすすめ
我輩は狛犬である。
うん。
口元はきりりと締まっているのである。
うん。
だらしなく口あけた相棒とは違うのである。
うん。
だが百年に一度くらい口あけて吠えたいのである。
うん。
....
女王は生き血の風呂から手を伸ばし
君の頬をなでまわした
君は少しうろたえて後ずさり
そこここに跳ね散った血液の飛沫に
足を滑らせた
べっとりと頬を濡らす血を
拳で拭いながら
君は家出 ....
指にはさまれた紙片はガラスの破片のように鋭利に
あなたの皮膚を切っているらしかった
あなたの体液はきっとすこし酸っぱいのだろう
あなたの指を舐めている蛙は
横に広いはずの口を丸めている
....