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ねじれた果実の熟すころ
死は昨日のように訪れた
時間の底に焦げついた
小さな獣の影
かどわす風にいま黒い水を渡る
古い橋の真中から
栞を落とす子ども
その萎えた手の甲か ....
{引用=まなざし}
鉄鋼団地公園の横
線路に突き当たる一本路で車を止めた
遠く路幅いっぱいに電車が駆け抜ける
一枚の幕 昔の映画のフィルムみたいに
時間について考えた
わたしは今という ....
穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆ ....
太陽の繭玉を紡ぐ朝
風景も 音楽も
ひとつ心に溶けて
対流する
かたちのないものたちは
かたちのなかでふるえ
ただ惹かれていた
扉の向こう
音と意の翅を得ることに
....
影かすめ
ふり返り だれも
――夏よ
荒ぶる生の飽食に晒された{ルビ石女=うまずめ}よ
あの高く流れる河を渡る前に
刺せ わたしを
最後に残った一片の閃光をいま
仰向けに ....
まだ強い日差しを俯く花のように
白い帽子で受けながら
歩道の向こう
小柄な婦人が歩いている
ゆれるバッグの中で
小さな鈴が歌っている
{引用=――しゃらん しゃららん}
たったひとりの{ ....
あの陽だまりに置き忘れられた深い裂け目
おれの胃袋はもう紫色の朝へ停泊していた
窓から女が見えた裸のまま
微笑んでいた カメラの前みたいに
ブラインドが降りるまでの一瞬だった
おれはその一瞬 ....
フロントガラスの雪
百や千もの指が
百や千もの詩を書こうとして
なにも書けず
スルスル流れ
見通しの良い隔たりは
光景だけを素通りさせる
百や千もの天の指紋が
色も形も失って
理由を ....
一枚の写真が燃えている
黒い鉄の花びらの上
ひらめく炎をその身にまとい
そりかえる
水蒸気と煤があいまって
白くにごった煙とともに
封じられた時間も漏れ出して
霧散する
平面の中の奥 ....
原初のひとしずく
ささやきのように生まれ
岩肌の乳房
地衣類の産着
山あいを渡る風も目覚めさせないように
産毛を揺らす
静かな吐息
うつらうつら
千々のひかりにあやされながら
死への ....
見つけられないものを探している
とっくに失くした何かを
例えば棚で眠っている本に挟まって
頭を覗かせる封筒
歳月に黄ばみ
だが秘められた部分は青白く
ほのかに
呼吸して
机の上で宛名を ....
本田憲嵩さんのただのみきやさんおすすめリスト
(11)
タイトル
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日付
逝くまで書いて
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ただのみ ...
自由詩
9*
24-3-2
惚けの呪法
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ただのみ ...
自由詩
5*
23-7-23
大晦日の空に
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ただのみ ...
自由詩
17*
17-12-31
溶媒
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ただのみ ...
自由詩
12*
17-12-16
夏石女
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ただのみ ...
自由詩
14*
17-8-30
小さな鈴
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ただのみ ...
自由詩
13*
17-8-26
ビショップ
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ただのみ ...
自由詩
15*
17-3-15
がらすゆき
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ただのみ ...
自由詩
13*
17-2-22
炎の遊戯
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ただのみ ...
自由詩
15*
17-2-11
小川
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ただのみ ...
自由詩
16*
17-2-8
ファントムペイン
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ただのみ ...
自由詩
17*
16-2-20
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