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「ごめんや」
虚ろな眼差しで
そっと握る祖母の手は
ほっこりと温かくて
懐かしい香りがした
体がほんわかあったかい
体をさする風も柔らかく長く伸び生えた草を靡かせる
泥川の表面も袈裟のように皺を寄せては白く輝き
身を乗り出し目を凝らさない限りさも美しき川にみえる
小さき鳥らしき影は足 ....
連日降り頻る雨は私の熱った体を冷やす
破れて骨組みまで曲がりくねった傘
空は相変わらず薄暗いままだ
風は私を吹き飛ばし
どこか遠くへ攫おうとしているのだろうか

せめて掴まるところでもあれ ....
浮かんでは消え
浮かんでは消え
まるでシャボン玉

いつか弾けて
本当に消えてしまうのだろうか
屋根まで飛ばずに

私の夢はシャボン玉
喫茶フィガロで食べたチキンカレー
オレンジ色の洪水が
厚めに切った玉葱とチキンとともに口の中でぶつかり合う
喉の奥で絡まる暑さと辛さ
まるで口腔全体が待ち受けたように全ての旨みを受け止める
 ....
淡い水色がどこまでも広がる空は僕の心を呼び醒ます
思い出の欠片が瞬くたびに響く記憶

風に乗ってあの山を越えれば苦い感情もやがて甘美な詩となるのだろうか?

蒼い海を渡り君の住む街へと還ろう ....
ぱらぱらぱら

傘のうえにおちる雨のしずくがここちよく音をたてる

ぱらぱらぱら

哀しみもはじけて空へと消えてゆくよ

ぱらぱらぱら

ああ、まるで叩くように布から伝わる水の感触 ....
時は立ち止まらず指の間からすり抜けていく
まるで水のように目を見張る暇も無く

ああ、一瞬一瞬がフラッシュの光の間に瞬いて僕を責め立てる
緩やかに
まっすぐに
テレビに映るにこやかな笑顔
介護の大変さなど微塵も見せず
嬉しそうに成功した親の介護を語るゲスト

母と私はため息をついた
(介護ってそんなに生易しいものじゃない)

祖母を介護していた ....
蒼く白く浮かび上がる斜面を手のひらで滑り降りて
ごわついた皮膚の冷たさを知る
まるでゴム毬のような乳房をわし掴みしてその谷間に暗い頭を挟み
これが生きている証拠だと誇張する

あぁ、生きてい ....
祖母の誕生日
母からこっそり
祖母が大好きなお花を聞き出しておいて
仕事帰りに買いにいく
水仙にフリージア
祖母がこよなく愛する花ばな

ねぇ、どこにあるの?
花屋を探し回っても
近 ....
地下鉄の入り口付近
巣を作り羽根を休めるツバメの親子
親は子を巣の内側に入れ
自分は外側端っこの不安定な場所で
羽根を羽ばたかせ
必死に巣と子供達とを守っている
黒いつぶらな瞳を時折瞬きさ ....
本田憲嵩さんの栗栖真理亜さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祖母の手- 栗栖真理 ...自由詩3*25-6-13
鴨川- 栗栖真理 ...自由詩7*25-5-29
この公平な空の下で- 栗栖真理 ...自由詩225-5-18
シャボン玉- 栗栖真理 ...自由詩225-5-18
チキンカレー- 栗栖真理 ...自由詩8*25-5-10
涙の海- 栗栖真理 ...自由詩525-4-30
雨音- 栗栖真理 ...自由詩7*25-4-21
時と懺悔- 栗栖真理 ...自由詩425-4-21
リアル- 栗栖真理 ...自由詩12*24-11-23
冬の精- 栗栖真理 ...自由詩124-11-11
祖母の好きな花- 栗栖真理 ...自由詩524-11-10
幸せの巣- 栗栖真理 ...自由詩124-11-2

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