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I あがないの子羊
I・I 刺すいばら、苦しめる棘
その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
コーヒーを飲み終えられたベルゼバブさまは、机の上に置かれたアルコールランプを手元に引き寄せられると、指を鳴らして、火花を発して火を灯されました。すると、ベルゼバブさまの前に坐らされておりました老人が ....
ボードレールの作品世界に通底している美意識は、詩集『悪の華』(堀口大學訳)に収められた詩の題名によって捉えることができる。たとえば、「不運」、「前生」、「異なにほひ」、「腐肉」、「死後の悔恨」 ....
もう もどっては こないよって
あいつは いった
ぼくのことなんか ほっといてよって
あいつは いった
ツチノコ ツチンコ シタリガオ
また どこかで会えるって? ハ ....
真夜中、夜の川
川面に突き出た瀬岩を
{ルビ躱=かわ}しかわしながら
ぼくの死体が流れていく
足裏をくすぐる魚たち
手に、肩に、脇に、背に、尻に
触れては離れ、触れては離 ....
ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』を読んでたら
アリストンという名前の哲学者が、ハゲ頭を太陽に焼かれて死んだって書かれていた。
べつに、ハゲでなくっても、日射病ぐらいにはかか ....
横断歩道の上の白線は
決して真っ白であったためしがありません。
必ず、幾多の轍が、靴の踏み跡が刻印されています。
もしも、真っ白な白線がひかれていたなら
ぼくは、その上を這って渡りましょ ....
幾つものブイが並び浮かんだ沖合、幾つものカラフルなパラソルが立ち並んだ岸辺。その中間に、畳二枚ほどの広さの休憩台がある。金属パイプの支柱に、木でできた幾枚もの細長い板を張って造られた空間。その空間の ....
いくら きみをひきよせようとしても
きみは {ルビ水面=みなも}に浮かぶ果実のように
ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
さらに遠くへと きみは ....
アハッ
雨のなか、走ってきたよ
出された水をぐっと飲み込んで
プロポーズした
でもきみは
窓の外は目まぐるしく動いているから
せめてわたしたちはこのま ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください
かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
OVER THE HILLS AND FAR AWAY。
●「なんていうの●名前?」●「なんで言わなあかんねん」●「べつに●ほんとの名前でなくってもいいんだけど」●「エイジ」●「ふううん ....
●コップに入れた吉田くんを●空気が乾燥した日に●風通しのよい部屋に二日のあいだ放置しておくと●蒸発して半分になっていた●これは●吉田くんが●常温でも空気中に蒸発する性質があるからである●コ ....
●桃●って呼んだら●仔犬のように走ってきて●手を開いて受けとめたら●皮がジュルンッて剥けて●カパッて口をあけたら●桃の実が口いっぱいに入ってきて●めっちゃ●おいしかったわ●テーブルのうえの桃が ....
●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか ....
二〇二二年十一月一日 「夢」
お金を盗まれる夢を見た。
二〇二二年十一月二日 「夢」
また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。
....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」
海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」
ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
二〇二二年八月一日 「海東セラさん」
あしたは高木精神科医院に行く日だ。
ワールズ・ベスト1965『時のはざま』5作目は、ウィリアム・F・テンプルの「時のはざま」ゴッホのいる時代にタ ....
二〇一八年十一月一日 「現実」
現実はきびしいね。だけど、がんばろう。がんばる仲間がいれば、だいじょうぶ。
二〇一八年十一月二日 「考察」
ぼくというものを媒体として、 ....
二〇一八年十月一日 「楽しくくたばれ!」
楽しくくたばれ!
二〇一八年十月二日 「断片」
ぼくは何も言わなかった。ひと言も口にすることができなかった。何
を、どう言 ....
二〇一八年九月一日 「葉山美玖さん」
葉山美玖さんから、小説『籠の鳥 JAILBIRD』を送っていただいた。クリニックに通う女の子の成長物語だ。会話部分が多くて、さいきん余白の少ない目詰ま ....
二〇一八年八月一日 「どくろ杯」
いま日知庵から帰った。帰りに、セブイレで、きんつばと、玄米茶を買った。寝るまえの読書は、なんにしようかな。きょうのお昼には、金子光晴の『どくろ杯』のつ ....
二〇一八年六月一日 「断章」
断片はそれぞれに、そうしたものの性質に従って形を求めた。
(ウィリアム・ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』36、黒丸 尚訳)
二〇一八年六月 ....
二〇一八年五月一日 「迷惑メール」
迷惑メールが何通もくるのだけれど、いま見たら、「ワンナイトラブでかまいません。」と書いて、女の名前で書き込んであるの。笑っちゃった。こんなメールに返 ....
二〇一八年四月一日 「孤独の円盤」
きょうから河出書房新社の奇想コレクションシリーズの第2弾、シオドア・スタージョンの『不思議のひと触れ』憶えているのは、異色作家短篇集の『一角獣・多角 ....
二〇一八年三月一日 「ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。」
きょうも寝るまえの読書は、チャールズ・ボーモントの短篇集『夜の旅その他の旅』のつづき。なんか40年とか50年まえの小 ....
二〇一八年二月一日 「無限がいっぱい」
塾が終わって、日知庵に行ったら、シンちゃんさんご夫妻と友だちがいらっしゃって、そこからガブ飲みに。きょうも、ぼくはヨッパで眠る。眠るまえの読書は、ロ ....
二〇一八年一月一日 「熊人形」
きょうから、リチャード・マシスンの短篇集『13のショック』を読む。スタージョンの短篇集は、いいの1作品だけだった。「熊人形」だけがよかった。スタージョンの短 ....
二〇一七年十月一日 「蝶。」
それは偶然ではない。
偶然ならば
あらゆる偶然が
ぼくのなかにあるのだから。
二〇一七年十月二日 「「わたしの蝶。」と、きみは言う。」
....
本田憲嵩さんの田中宏輔さんおすすめリスト
(120)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
黒い光輪。
-
田中宏輔
自由詩
11*
23-5-29
ベルゼバブ。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-5-22
『斎藤茂吉=蠅の王(ベルゼバブ)論』。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-5-22
ツチノコ_ツチンコ_シタリガオ。
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-5-15
葵橋。
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-5-8
カラチョキチョキ。
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-5-1
白線。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-4-24
反射光。
-
田中宏輔
自由詩
14*
23-4-17
水面に浮かぶ果実のように_____
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-4-10
RAIN_SONG。
-
田中宏輔
自由詩
15*
23-4-3
いますこし、あなたの木陰に
-
田中宏輔
自由詩
23*
23-3-27
HOUSES_OF_HOLY。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-23
FEEL_LIKE_MAKIN’LOVE_。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-1-16
ROUND_ABOUT。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-2
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...
-
田中宏輔
自由詩
13*
22-12-26
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
22-12-12
詩の日めくり_二〇二二年九月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-5
詩の日めくり_二〇二二年八月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
22-11-28
詩の日めくり_二〇一八年十一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
21-12-20
詩の日めくり_二〇一八年十月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
21-12-13
詩の日めくり_二〇一八年九月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-12-6
詩の日めくり_二〇一八年八月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
12*
21-11-29
詩の日めくり_二〇一八年六月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
10*
21-11-22
詩の日めくり_二〇一八年五月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
12*
21-11-15
詩の日めくり_二〇一八年四月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
12*
21-11-8
詩の日めくり_二〇一八年三月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
21-11-1
詩の日めくり_二〇一八年二月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
12*
21-10-25
詩の日めくり_二〇一八年一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
12*
21-10-18
詩の日めくり_二〇一七年十月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
13*
21-9-20
1
2
3
4
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