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いちまいのやわらかな和紙だったね
わたしたち
淡い夕空に星の 輝くような
やぶられて
ふわふわの 端っこが
互いに 手を差し伸べても
又 一枚になれることは
わたしたち
ないのだね
....
幸せになって
たいせつなお友だち
惜しみなくきれいなおいしい
飴をくちづけたい
そんなものまだ
わたしのなかに壊れきらず
のこっているならば
幸せとはなんだろうね
つらつらして ....
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった
空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている
ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
....
いつのまにか名前を忘れていて
出席番号だけになった
常緑樹はかわらなくて
花のにおいはかけている
校舎と門
息をするのがむずかしいような
薄い空だけ
水に飽和して粘液のような砂糖 ....
きみが
ふるさとを
いとしく呼ぶ
あいづ と
づ、にアクセントをおいて
うかうか
夜行バスで
きてしまった
きみが歩いた町を
見たくなってさ
雪の白と温泉の湯気
....