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白い砂漠に
矢のような光が突き刺さる朝
摂氏五十度の砂嵐に
ラクダが弱音を吐く
そのころ
私たちの小さな家では
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹きあれる海を見ながら
女が
あの ....
風を食べていた鳥は
夢を食べはじめるようになってから ずっと
腹をすかせ
風は
その鳥を食べたせいで
空を吹けずに
地を這うようになった
たくさんの綻びた男たちと
肌をあわあせてき ....
白い死神の背ビレに切り裂かれた
ふかいふかい空の底から
ぽろぽろと
こぼれおちてきたものの正体を
ぼくは
知っている。
それは
まき散らかされる
おびただしい数の安売りの愛だ。
....