神は時々、雲間から
小石をポンと投げ落とす
空を見上げる余裕ない
人に小石は当たるらしい

小石はお腹に入り込み
陣痛並みの鈍痛で
七転八倒苦しめる

小石は私の大切な
志に鎮座し ....
寝ぼけ眼で目覚めた朝
伸びをしてそれに気づいた

目の前の鏡の中で飛び跳ねる
悪戯っ子のような髪
黙らせるように押さえつけても
すぐに飛び出す反抗期
大人しくなってしまった自分と対照的で ....
*


わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。







*

少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
僕のことを知らない

あなたはきまって
この公園で昼食をとる
いつからか
それは僕の習慣にもなってしまい
僕のことを知らないあなたと
会話をすることもなく
この公園で昼食をとる

 ....
なんだかね


すべてがあたりまえでさ

あの銀色のスプーンだってぎらぎらしている

すぷうん なんてなまえのくせに
いきをしているんだ




白濁のレンズ越しに
煌 ....
ネジ巻く、ねこの
足で
びっこひきながらつくる、
足跡は君に

ひとつ残らず
食べられ

慣れ、

パステルカラー、死んじゃえ

つぶやきながら
背中の巻き毛も、
くるる ....
燃えてしまった あのひとは


たとえばわたしが
宇宙の入り江に沈んでも
折り鶴のつばさにうちつけられても
あなたのその 手垢に塗れたナイフ
つきたてても


折れはしない
 ....
メスシリンダーはすべて
叩き割って構いません
まちは季節によってその色を変えるのに
案内図の中には
風一つ吹かないのですから
傘は売れましたか
そのことが一番気がかりです
という嘘はいつ ....
冬からようやく春になります
夜空がもう春になりました たぶん
桜がもう芽吹いています
知っていますか
東京、よりも半月も遅い


川の流れは順調です
これ以上ないほど順調です
その先 ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
おはよう
で、今日も誰かが溶けていく
それでも、空を見上げることを止められなくて
いつの間にか、あちこち穴だらけになっている


使い古しの気持ちを手紙に残して
あなたもすっかりと溶けて ....
燃えるものがない
燃やすものがない

燃えようとする心だけが
かろうじて生き残ろうとするとき
ぼくの指先はペンを握りしめる
ああ白紙には危険な文字が溢れている
白紙を汚そうとするとき
 ....
脱ぎ放した靴下のフォルムは流線型だった
2つある


手のひらの皮が剥けていく
郵便局の先が乾燥して
弓のようにゆする足で蹴忘れてしまったことを
シャワーを浴びずに行くべきなのを

 ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を伏せ ....
夕暮れになると
ばくは星間に漂いはじめるのだった。

追いつめられてすきとおっていた
声なき声は銀河の構造
肉体を失って誘いを待つあなたは光の粒子
粒子は崩れぼくは光速で見えないあなたを通 ....
青空は世界の王である午後にやきそばパンを買いにゆくとき


みとれてるあなたの美脚やきそばの麺の細さを味わうように


屋上であなたとふたり風に似る高鳴る胸の火災報知機


焦がれて ....
あなたが徐々にしなり
あなたの腕がしなやかに湾曲し始め
それが良いことであり
あるかのようにあなたの腕の湾曲を
私のここから私は俯瞰する

キトキト、糸の車
からまりほつれ
て ....
両腕でバランスをとりながら黒鍵を渡る。ちろちろとつま先から炎、揺らめくモディリアニ。白鍵
は床上浸水していて、溶けてしたたるたびにじゅう、って、しずくの結晶なんだ。映る、壁に体と
もうひと ....
少女たち暗黒舞踏を踊る夜旧市街へと駆ける少年


少年が少女の着替えを待っている土の器をふたつ並べて


蜜だらけベッドの上で酔い潰れ蛇足過剰の花をむさぼる


張り詰める音楽室の黒 ....
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おも ....
環八と早稲田通りの 交差点 自転車 倒れ 車 流れて

人をまくスピードと 息の多さに負けて 逃げ出す自分 と 居座る わたし

バス停の時刻表を写メで撮る女子高生は 盗撮されて

はっと ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
我思うに
平行線越えられぬ 理由は
単純に 其の黒き森にこそ
隔たりを視たのだと

其処で 遂ぞ改めを得た処で
目印が無く
迷いより脱せられ得る事も無く
寒風が 我を吹き付ける

 ....
   
光沢するチラシの千箇寺
一種類一枚ずつ折り込んで
束ねて舐める唇に ぴとり 貼りつく 


拭えない合成洗剤と摩擦熱
指紋と一緒に綴じて 
継続。
継続。

虚構が隣に  ....
たとえば 
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです

たとえば
 ....
ひとつだけ
たくさん
あげるから



ひとつだけ
たくさん
たべてね



おねがいね。
駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロッ .... ひとつの言葉の{ルビ欠片=けっぺん}を拾って

それに
いまの自分の想いをからめていくのは

なんて楽しいんだろう

「楽しい」は
単品ではないことだよ

あなたには感じるかな
 ....
矢野顕子を口ずさみながら
ヒールのコツコツの月を
連れて帰る

つらい分だけ吐き出した
あなたは楽になっただろうか
つらい分だけ黙り込んだ
私はどこへゆくのだろうか

もう二度と ....
a




せかいは、ぼくはここにいるの
だいがっしょうでまるでしんでいるようです



あまりにこえがおおすぎて、
もうききわけのつかないのです。



あれはだいすき ....
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