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 その人の
 ぶ厚い唇から飛び出した一言は
 熱っぽかった

 「あなた、でしたかっ!」

 (は?…。)
 パリッとしたスーツ姿で
 母の仏前に座る中年男性とは
 全くの初対面
 ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
 輝いた肌を白シャツで包み
 黒い目を持ち
 広い肩を持ち
 その人は今日
 目の下や口の周りに軽い擦過傷があり
 絆創膏を貼っていました

 柔道部に所属していて黒帯なのは知っていまし ....
 春 おそく
 雲低い空の下
 裾のほつれをまといつけておいた
 小花柄のフレアースカートはいて街へ出る

 図書館の帰り、線路わきの公園で
 ひとり眺めみる 
 八重桜 
 ぼったり ....
 川縁に一人立っていると
 背後を笑い声やら靴音がぞめき行く
 銀閣寺道

 並木続く小径に沿って
 川幅いっぱいを埋め尽くす淡い色
 水嵩を調節する一枚板で堰き止められた花片が
  ....
 花の時期を過ぎれば気にも止めないでいた
 児童公園の隅にある
 赤茶けて錆びた鉄の 大きな藤棚

 敷かれた石畳に 風雨で変色したコンクリートの
 ベンチ三脚
 ちいさな葉が滴り落ちる  ....
 一時間ほど止まないかもしれない
 路面に跳ねる雨しぶき

 ショッピングセンター出入り口の側
 売り場フロアーから流れてくる冷気で落ち着き
 ふと 気付くと
 丸みのあるヒップラインの高 ....
 ロレツの回らぬほど酔った男が
 何度も同じ事を怒鳴りながら
 女に絡みついている

 能面の様に 厚ぼったい女の顔は
 何の感動も示さず
 唯 その口だけが別の生き物のように笑ってい ....
 どれだけか時間は過ぎたのかもしれない

 マンションの玄関前の共用廊下で
 手摺もたれて湖を眺めると
 淡墨色した空から高度を下げてくる
 鳶一羽が
 湖畔の並木を転回する

 どれ ....
 花を生けずに
 花瓶に水をはる

 絵を入れずに
 額ぶちを吊る

 そうして

 北向きの六畳間の窓を開け
 風だけを 入れる

 雪光る 比良の山稜と
 湖の流波に
  ....
七さんのリリーさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大きな目- リリー自由詩8*24-2-10
みずうみ- リリー自由詩16*23-8-18
銀紙- リリー自由詩5*23-5-29
八重桜- リリー自由詩10*23-4-12
白い川- リリー自由詩8*23-3-30
風のいろ- リリー自由詩7*23-3-26
蛇の舌- リリー自由詩12*23-3-12
木屋町にて- リリー自由詩4*23-2-25
湖空- リリー自由詩5*23-2-19
モノローグ- リリー自由詩4*23-2-3

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