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仙台味噌に小松菜のナメコ汁
重い銀のライターで炎を灯した刹那
冷たい過去を浮かべて
薄笑いをした
紫煙に過ちを想い出し
真紅のドレスを纏ったマリーに
こうべを垂れて
俺はただの苦笑い
グレンリベットをも ....
誰をも許さない鋼鉄の精神を
保ち続けていけるのか
いまは我慢比べをしている
だが
脆弱な精神は
柔らかなパールの首飾りに溶けて
沸き立つ性欲が勃興する
生きているということはこう ....
天界の桃を食べてしまったのは
大きな間違いだった
帝釈天は怒り
死ぬことのできないぼくは
闘いを続けなければならない
ほんの少しの過ちは
誰にでもある事なのに
後戻りができないことが ....
セブンのおにぎりとおでんに焼肉弁当
食べることが不可能な粘土の食感
大好きなポタージュ吐く
最後には せめての梅昆布茶
食べられないから竹鶴あおる真夜中
明日から健康の一歩が始まるだろう
2Bの鉛筆を走らせて
刹那に頬笑む君の横顔を滑らせて
想いでの湘南海岸を語るいま
明日はしばしの別れ
必ず戻る
ぼくはきっと千の文字を書く
スーパーで
里芋 大根 葱 人参 牛蒡 コンニャク 油揚げをカゴに入れ
最後は豚バラを見定めて
鰹節と煮干しの出汁煮込み
信州味噌を溶き
妻に捧げる一椀の思い
のどを通らないのはしょう ....
この時間
どこを歩いてみても
ラーメン屋はやっていない
乾燥したファミレスが灯りを灯しているだけで
目的のラーメンは何処にもない
彼らもきっと眠いのだろう
けれど
キツネ顔のチャルメ ....
三年前にどうにも眠れなくて
三か月半の入院をした
そして今度はどうにも食べられなくなって
また入院する
そこはさまざまな動物が生息しているジャングルだが
静謐な時間が過ぎる場所
い ....
夕去りて
静かに静かな
時を過ごすいま
妻と語らう
幸を味わう
夜も更けて
紫煙をくゆらす
ひと時に
過去を眺めて
明日を語らう
それぞれの
生きざま想い
歌ながめ
....
蝙蝠の化身である彼は
愛を彷徨い暮れなずむ空を彷徨った
恋に疲れた女を探しては
唇を求め
彼は女の舌を溶かし
タンゴを踊り
優しく抱き締める
彼は刹那に鋭く細い牙で
女の首筋に刃を ....
背徳の烙印を額に捺された巡礼者の列は
埃にまみれた長い路を促され
静かに歩みを進める
誰も言葉を発する者は無く
無言で己の魂と静かに語っていた
遠くに霞む溶鉱炉のサイレンだけが静寂を乱し ....
幼い頃には特別な場所が在った
古い石橋のたもとだとか
椿の大樹の根元だとか
石垣のちょっとした隙間など
ぼくはそんな処に
緑色や赤や青い水晶の欠片など綺麗な石を
お供え物のように隠した ....
刹那に大宝塔は天を突き
おんおんと唸り初めた
散りばめられた宝玉が
瞳を圧倒する
金色の眩しさに
怖れをを成し
言葉を失い
胸に呪文を唱える
これは人々が入る墓なのか
転生へと導 ....
いまさら歎くことはできない
この世に生をうけたなら
決して涙を流すなよ
どんなに苦しくても
決して涙を流してはならない
どこまでも
どこまでも
歩き続けて頬笑みを絶やさず
....
武蔵野のクヌギ林にわけ入り
落ち葉の絨毯を踏みしめる
聴こえるのは小鳥のさえずり
静かな一日が過ぎてゆく
木の幹に耳を当てても
冬に水の音は聞こえない
ぼくは帰る路を忘れて
時計の森 ....
相撲待ち
明日に
夢はせる
なんとして
男に生きる
覚悟あり
あの暖簾
大晦日には
あの店襲う
鴨南蛮
俺はこれで
生きている
カツ丼を
食いたし
我が腹 ....
善も悪も
全てを認めなければ人は生きていけない
ただ一つの生命を沢山奪いながら
ぼくは生きている
幼い頃の疑問は未だに晴れない
曇り空
やがて百八つの鐘は
今年も訪れる
歳の瀬に
伽羅を焚き染め
肩を抱く
疲れをほぐし
香りに漂う
好物のウイスキーを飲み
夜が更けてゆく
何となく腹がへり
あのネギラーメンが食べたくなった
其処までは100㎞
名古屋の味噌煮込みうどんでも良い
其処までは350㎞
あまりに ....
あの日
パステルで描いた街は何も変わらないでいた
終着駅を降り
血の止まらない人差し指を包帯で締め付け
だらだらと下る漁師町
白黒の猫がニャァと誘い
坂をゆっくりと降りてゆく
灯台ま ....
晩祷を捧げる夜
聖橋を渡る人々が吸い込まれてゆく
鐘が静かに鳴り響き
賢者を祝う
まるで葬列のように
厳かな夜が果てしなく続く
その森を抜けると
ぼくの歩いた路や
触れた物はすべて黄金となった
それからというもの
金に価値はなくなってしまった
オリハルコンを探していたら
何故か天上からベリリウムの雨粒が降ってきた
それは虹色に輝く丸い雨だった
振動音速はとても想像できないほど早くて
その雨粒を手のひらで捉えることは出来なかった
....
彼はとても静かに暮らしていた
職業は図書館の司書だった
毎日職場に行っては
本を分別し
新たに購入する本を検討する
静かに帰宅すれば
柔らかに妻が頬笑み
お疲れさまでした と言う
....
聖なる岸辺の花祭りの朝に
残された遺骸
痩せこけたヨガの行者は
余命を河に託し
生老病死にたどり着いた
無尽の砂に包まれ
人々は去り
魂の抜けた物質だけが残されていた
野犬の遠吠え ....
冬に聴く
チェロのソナタは
暖かく
珈琲すすり
窓を眺める
公園の
ベンチにすわり
病葉を
ひとひらふたひら
かぞえるまなこ
わが書斎
森林のように
わけいりて
記憶 ....
風にゆれる暖簾をくぐれば
そこにお前がいた
退屈そうに
新聞を開いたお前は
俺をみてただ頷く
斜め前の席に座り
婆様が注文を聴きにくる
戸惑いながら
カレーうどん
今日の ....
公園の銀杏も散ってしまい
樹々の枝だけが
空を刺している
広場のベンチの陽だまりに
うたたねしているお爺さんの
寝息はとても安らかで
ぼくも欠伸をしたくなった
冬の情景はブリュー ....
アイナメと若鮎の甘さは妻の味
すき焼きに染みこむネギに舌打つ
豚汁に浮かぶ脂の美味さ
出刃を研ぎ石鯛狙う
シロギスの透明を如何に料理せむ
ふつふつと湧き上がるサザエかな
....
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