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ながい黒髪が、
夏の風にさらされて、
ときおり、
ひとつの風鈴となっている、
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。眩暈。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、その揺らぎをなんども繰りかえす。それは途方もなく長い ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、


なみだ、
かけがえのない、
 ....
{引用=
潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけ ....
{引用=
日々の蓄積された労働によって、もうすっかりとひび割れて、枯れきってしまった。そんな心の大地の奥底から少しずつ滲みでてくる、君という存在を知っている、ボクの中から生じられた、補おうとする水な ....
   ※

物事や心は常に無常、
けれども、
今には、
今の、
今がある、

   ※

向かい風、
飛び立とうとする飛行機の、
それは、逆方向から促す推進力、
必死に生きよ ....
ひるさがり、
オイシイモノを食べて、
りんかくが、
ほころぶ、
ゆるふわな、
しろいまるがおの、
ましゅまろ、
キミは、
ほほえんで、
そのひとみに、
ふたつの三日月をつくる、
 ....
   1

(朝は、パン♪パン、パ♪パン♪)(昼も、パン♪パン、パ、パン♪)(夜は、うどん♪うどん♪うどん!♪)巨大な一斤の食パンの被り物を頭に被った白いコックコートを着た小太りの男が、「やきたて ....
きみのまる顔、
ひとつの、
お団子、
笑うと、
目が、細くなる、
とーっても、
甘そうな、
雪しろの、
お団子、
からだが重力のように重い、
GW明けの初日の勤務(火曜日)、に、
夜型になりかけた、鈍い体内時計を引きずるように、
その朝の空はナマリ色にくもり、冷たい灰色の雨がきわめて憂鬱に降りしきる、
そ ....
太陽丼!
丼ぶりのうえに、
ただ目玉焼きをのせただけの、
とてもシンプルな、
たべもの、
熱々の、
透明なうすい膜を二本の箸でつきやぶって、
まるで黄いろい溶岩のように流れでてくる、
 ....
{引用=
打ちあげられたように、青白いシーツの砂浜の上で晒されている。まどろみ。おだやかな白い波に晒されながら、そよと吹く風に晒されながら、あるいは無数にきらめく石英質の砂塵に晒されながら。そして、 ....
 ひとさし指の甲のうえに、

コガネムシ、

     を、

    のせてみた、

 とても大きな、

裸石、

 に、なるような、

       気がして、

 ....
またはじまる、
慈愛、
家のなかの壁や床をすばやく這う、
八本足の、
ちいさなニンジャ、
ことしも繰りひろげられる、
ほとんど割にあわない、とてもスケールのちいさな、
大とりもの帳、
 ....
めいっぱいにひろがった、
快晴の青空のした、
さわやかに吹く初夏の元気な風をめいっぱいに受け止めながら、
学校の屋上で、
どんどん成長してゆくような、
そんな果実の可能性と期待感、
その真 ....
ごくありふれた電車がほとんど間断もなく何台も続いてゆく。そんな止めどない彼女のお喋りにその遮断桿が上がり切るのをただひたすらに待っている。しかしどうやら彼女の遮断桿は今のところ、その上がってゆく、ほん .... 春は、旅へといざなう季節、
小鹿のようにそわそわして、
居ても立っても居られなくなる季節、
かつて春の日に落としてしまったなにかを、
取り戻すため、
どこかへと無性にお出かけしたくなる、
 ....
ひるやすみ、
とてもみじかい、
アラームが、鳴りひびくまでの、
とても貴重な、
じかん、
しろいカモメたちは、
鳴きながら、春のあおぞらを、
ゆきかって、
しろいおおきな貨物船も、
 ....
いっぴきの草鞋虫を片ほうだけ履いて、
春が土足で入ってきた、
ながらく寒かった和室の畳の上にも、
いっぴきの草鞋虫が入ってきた、
ワラジムシ、
おまえは、とてもちいさなちいさな、
春の外履 ....
はる、
にちようびのそくどで走ってゆく、
ひとときの、
ゆるやかな午睡、
草木は徐々に生いしげってゆく、
山沿いの線路で集約される、
一両の田舎の電車、
ちいさな無人駅のような、
ささ ....
はなびら、
すいへいせん、
タイムリミットのある、
うんめい、
あのひ、
うちぐつ、と、そとぐつ、
は、きわめてらんざつに、
はきかえられて、
つりあわない握力で、
掴んでしまった、 ....
歯ミガキ、
センメンダイのカガミをとおして、
ハッケンされた、
すこしだけフクザツなキモチ、
歯ブラシを、
口腔にサシいれて、
なんとなくナマナマしい、
キミのセイカツの音、
じゃぐち ....
まあるい串団子をほおばって、
まあるくなる、
きみの顔もまた、
まあるいお団子、
フライパンのうえの未成熟な太陽系に、うっかりと落としてしまった、
君のしろい星のかけらが、
ぼくの宇宙(コスモ)を未だに巡る、ひとつの彗星となっている、
ひこうきぐも、
それは、ひこうきが飛んでゆくように、
あっというまに経過してゆく、
とても楽しい、
ひとときのあとの余韻、


ひこうきぐも、
それは青空にもきざみたい、
ぼくのよろ ....
やわらかい、
手でひきながら、
にぎわいへとみちびく、
そのひとみに、
よく跳びはねる、
活発な、
ちいさなウサギ、
が、二ひき棲みついて、
だから、きみはよくまばたきをする、
その ....
俺「向日葵がうな垂れるほどの猛暑の中、
  ヤッケを着ての作業、
  水、泥水、土のけむり、構内のホコリ、そして自らの汗、
  そしてときには鉄骨、
  そんな、
  荒々しい太陽にまみれた ....
葉をつけないで咲いている、昨年の晦日の晩から降りしきっている、しろい雪の華の、サクラの裸の枝に、ついばむ蕾をもとめてやって来たのか。つがいで雪の積もった枝に憩う、灰色のヒヨドリの、その鮮やかな色彩に彩 .... ともに歩いている砂浜、
こちらをむいて、
つよい波風にすこしウェーブがかかる、
花のように、首を、傾ぐ、
ながい黒髪の、まるでオニキスのようにまるい、
とてもおおきな瞳、
しろいレース柄の ....
夕景、
いちにちの役割を終えて、
港の工業王国に静かにそびえたっている、
ぼくのちょっとした、すこし傾いた、
鉄骨のキャッスル、
工場の七階から、
淀んだ窓を開け放って、今日も少しだけなが ....
レタスさんの本田憲嵩さんおすすめリスト(68)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏鈴- 本田憲嵩自由詩1424-7-10
水精Ⅲ- 本田憲嵩自由詩1024-7-7
なみだ- 本田憲嵩自由詩11+24-7-6
はちみつレモン- 本田憲嵩自由詩12+24-6-23
水精Ⅱ- 本田憲嵩自由詩1524-6-16
五行歌_二首- 本田憲嵩自由詩924-6-3
ましゅまろ- 本田憲嵩自由詩824-6-1
小麦の薫る男(サンドイッチマン)- 本田憲嵩自由詩924-5-20
ゆきみだいふく- 本田憲嵩自由詩1024-5-10
連休明けの重力- 本田憲嵩自由詩724-5-8
太陽丼- 本田憲嵩自由詩10*24-4-28
石化びと- 本田憲嵩自由詩1124-4-25
コガネムシ- 本田憲嵩自由詩624-4-21
蜘蛛- 本田憲嵩自由詩624-4-19
推しの子- 本田憲嵩自由詩824-4-15
開かずの踏切り- 本田憲嵩自由詩624-4-14
春は、- 本田憲嵩自由詩824-4-1
しゅんみん- 本田憲嵩自由詩624-3-30
ワラジムシ- 本田憲嵩自由詩624-3-17
はる- 本田憲嵩自由詩1124-3-10
融雪- 本田憲嵩自由詩824-2-27
歯ミガキ- 本田憲嵩自由詩924-2-12
おだんご- 本田憲嵩自由詩824-1-30
目玉焼き- 本田憲嵩自由詩624-1-28
ひこうきぐも- 本田憲嵩自由詩1224-1-27
まばたき- 本田憲嵩自由詩1224-1-24
残高- 本田憲嵩自由詩824-1-8
ヒヨドリ- 本田憲嵩自由詩724-1-3
にじゅうごびょう- 本田憲嵩自由詩1023-12-28
ガントリークレーン- 本田憲嵩自由詩823-12-21

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