すべてのおすすめ
散る音も転がる音も枯葉らし
寒のみを老野良猫に感じたり
木枯らしや葉っぱ転がる二歩三歩
{ルビ皸=あかぎれ}が嫌がらせする小指かな
ランナーを真似てか岸辺走る鴨
それぞれ ....
コーヒーをやめて{ルビ白湯=さゆ}にす冬の朝
小春日の電車園児に満たされて
ふくよかな大根足の{ルビ娘=こ}もいいね
その音のパリッと淋し踏み落葉
シュッとして冬のゴキブリ安楽 ....
詩の様に小花に秋の小蝶ゐて
食ふ顔も干柿に似るおばあちゃん
靴置き場{ルビ紅葉=もみぢ}もふたつ並びをり
妖精が紅葉を履いてやって来た
ぷるぷるの中に歯ごたへ橡の餅
干柿 ....
ごみ箱にポンと紙くづ冬隣
秋蝶の影消え風の軽くなる
つぶやけば淋し野菊といふ語感
うつむけば青空の色{ルビ牽牛花=けんぎうくわ}
それぞれに名の美しく秋の草
団栗のひと粒 ....
つなぐ手に夕陽の映えて赤とんぼ
ゲームにて地球を守り星月夜
野良猫の痩せたるを見て冬隣
防犯のカメラにピース菊の紋
風にまた雨音かはり破れ蓮
さつまいも料理出来ぬが生もら ....
描き出すもの
愛も欲望も全部絡まっていて
──Grapevine
赤とんぼ夕陽と共に籠に入れ
虫の音やそのお姿は置いといて
名を知 ....