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大きなくぼみ 大きな水たまり
いつもはみな素通りするくせに
雨が降って 水たまりになれば
嫌そうに避けてゆく
たくさんの雨粒が
わたしのくぼみに入って
今にも押しつぶしそうな
灰色の ....
私は虹が嫌い 混ぜると灰の色になるから
どっと降った雨のあと 照りつける太陽
水たまりを避けて歩く人々
ぱちゃぱちゃと遊ぶ子供達
反射する青色の空
さっきまでの大雨が嘘のように
憎 ....
最近、しょっぱく感じるまでが
早いんだ
あれは なにが どうなったんやろか
鋭敏なんて響きは
どうも似つかわしくない
あきらめつくのが早いのか
カンがしれーっと鈍ったか
わからんけれど
....
地球はくるくる回って
人間のエゴを塗りたくられて
人間が作ったものに
人間が苦しめられる
きらきらしてたらいいのに
一部の黒さが反射して
全部全部真っ黒になる
地球は万華 ....
とうに手放したものを
いつでも
たぐりよせられると
隠し持っていた
古びた
麻紐
年月に擦り切れては
いない
乱れる思いに
捩れてもいない
さっぱりと乾いた紐の先には
....
今日もくるくる地球は回るのに
みんなせかせか働くのに
わたしは今日もベッドの上で天井を仰ぎ
お昼にアイスクリームを食べる
むしむしとした鬱陶しいほどのこの湿度は
今もわたしを包み込む ....
ある日ある時
何の前触れもなく
ふとした拍子に
感情が高まり 荒れ狂い
真っ赤な熱い液体を噴き出す
それが私の血液だと知る
人々は真っ黒な闇を粉塵と呼んで
それに困り果てる
....
コウノトリが
光りを運んできてはじまる一日は
約束に満ちている
四丁目への福音
聞いてほしい
聴いているよ
ほほ笑みの爆ぜる音が
煤けた下町に響き渡る/わたしは
泣いているビル ....
今日も わたしは飼われている
捨て犬になることは許されない
白衣を着た悪魔に
見えないリードに繋がれて
薬という名のおやつを待つ
たくさんのハッピーと
たくさんの死にたみを抱えて
....
小さな小さな金魚鉢に入れられ
酸素を与えられて
エサはまだかと待ち
ガラスを叩かれては怯える
わたしから見えるモノクロの世界は
恐怖以外のなにものでもない
それでもわたしは
ひら ....
補色を
なめるな
ぶつぶつ、と
不満が
表出している
円形、の、白い
棺のうえ、で
身悶える
完熟
とろり、と
かけられる
あまい
スペルマ
歓喜に震える
....
夜の闇があるからお星様は輝けるのよ、
誰かがつぶやいた
それなら、わたしたち障碍者がいるから
健常者の輝ける世の中なのであろう、
そう捉えた
決して解ることのないこの世界
わたした ....
天道虫はみなかわいがる
ゴキブリはみな嫌う
蚊は一瞬で殺されてしまう
カブトムシは大切に育てられる
みんな同じ昆虫なのに
扱い方がまるで違う
わたしたちは檻の中にいる
障碍と ....
なみだおちる
五線譜のうえ
なみだおちる
ティアドロップス・オン・マイ・ギター
大学の実験室ピンク溢れる
緑の服はどこ肩紐がおちる
お洒落をして今夜くらいは
....
どこにも陸地が見当たらない
漂流に似てる
目に見える確かなものは
何も無いのに
漕ぐしかないんだ
夜の海辺を
韻を踏んで歩くと
奇妙な砂利は
ペイントされ
同じ表情をかもす
眠りに落ちた
カモメの泣き声を
閉じ込めた貝殻に
吹き込んだ愛について
空き缶に零れた
海の ....
この夢の世界には
なんでもあるのになんでもない
必ずしもそうであるわけではない
昼の夢を見ている
四角い空に囲まれた壁を登り
垣根に生えた綿毛を吹く
君にあてた手紙を紙飛行機で飛ばした ....
毎日僕はいくつもの錠剤とセックスをする
快楽と絶望を繰り返しながら行為は止まらない
今日は僕に任せて 明日は君たちに身を委ねるかもしれない
君たちのことは好きでも 嫌いでもない
....
まだまだ生きろと言われる
みんななにも知らないくせに
向けられた刃物
目には見えぬ言葉のナイフ
摘み上げられ乗せされた天秤
もういいでしょう、もういいでしょう
突然に漆黒の闇が襲ってき ....
白衣の悪魔からもらった
白い粒たちを飲み干す
ひんやりとした床に寝そべり
四角い空を見つめる
雲は流れ 空気は色を変える
ぽわぽわとする意識の中
ただ二酸化炭素を吐き出し
何の生 ....
細胞たちが目撃した。
貨物列車の荷台には
先住民族が座っていた。
主題歌を口ずさみ
夜明けの花に聞かせるつもり。
トーテムポールの先っぽを虹で濡らし
黒い小鳥の思い出を指で奪い
風のチュ ....
わたしは書くことができます
わたしは読むことができます
わたしは飛ぶことができます
ビルの屋上に立って 靴を揃えて
つま先を引っ掛けて
最期の言葉を残し
そこから一歩進むだけ
ほ ....
こっそり、と。
ひっそり、と。
僕は生きている。
誰にも気付かれることもなく。
誰にも気付くこともなく。
誰もいない自分の世界で。
誰もいらない自分だけの世界で ....
もはや地上は眼下に小さく
自分の力じゃ降りれません
下降風を探すのですが
蓄えた血も尽きてきて
もう残りわずかと知ってます
高く飛べる鳥を羨ましく思ってはいたのですが
高く高く鳥を ....
興味なさそうな目
僕もたいして彼女を気にしなかった
でも
彼女
死んで
ふと
思う
葬式に行った帰り道
僕が話しかければ
彼女
死ななかったかもと
屋上からジャン ....
そんなにもわかりやすく
堕ちてしまうものなのか
恋に
怠惰にと
君たちにとっては
限りなく広いであろう
その世界で出会った
隣人に
誘惑に
今こうして
目を丸くしているくせ ....
ただ光のみ求め歩いていた
右手には闇
左手にも闇
光の道は永遠に続く
ただ光のみ求め歩いていた
哀しくなっても
歩み自体は止めなかった
苦しくても
くさらずにいようと決めた
ただ光の ....
現実から逃れるためではない
現実を死ぬまで生きる
そう 何処かで決めているから
扉も窓も開けたままにしてある
鍵は壊れたまま
入口は出口で出口は入口
外側は内側で内側は外側
脳が現実だと ....
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する
収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣
序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
....
口が尊いと書いて噂と読む
口に虚ろと書いて嘘と読む
人の為と書いて偽りと読む
人が扁さい(ちいさい)と書いて偏りと読む
わたしたちは こういう言葉に
囚われ 惑わされ
ある ....
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