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君の美しさを
僕は知っている
輝く君を人は褒めるけど
それは本当の君じゃない
飾らず
目立たず
ただそこにいる
そんな君を僕は愛する
僕の靴墨に汚れた手を握らない
横顔ばかり見せて正面の微笑みを見せない
君
この齟齬は、僕の気持ちは
一方通行の迷路へ向かう
走り続けるジープを追いかける子供
チョコレートを欲しがり ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
....
同じものを見ても
同じ音を聞いても
同じ匂いをかいでも
同じ物を食べても
同じ物に触れても
君と私は同じ感覚には
なれないのだろうなあ
それでも少しでも
同じ感覚を覚えたら
....
新しい朝がまたやってきた
いつもと同じ朝がやってきた 人々は
歌を歌い 私は真っ黒な
絵を描く
大きな絵を描く
かすかに聴こえるこの歌は
聴こえるか聴こえないかのこの歌は
苦しい中に ....
顔に張り付く髪の毛を
うっとおしげにかきあげるあなた
その横顔に見とれ
私が霧ならば良いのにと
思う
その霧ならば
うっとおしげにされても
あなたに影響を与えられる存在でいれられる
....
するりと喉を通った錠剤は
簡単に意識を濁した
次々飲み続けるうち
自然とどこかが軋む感じがした
意識は浮かび
空中に放り投げ出された涙
ぽえぽえとないている
ぽえぽえとないている ....
良い薬を取り混ぜて
頭を平均化していく
世界に耐えれるように
人に耐えれるように
平均化された脳みそで
ピッキング作業をし箱にひたすら物を詰めていく
きっとその人には巨大なだれもの ....
コンビニに蛾が集まり
一人一人つまらない買い物をしていく
煌々とその姿を照らしあげる
灯りはどこから来てどこへ行くのだろう
ほとばしるエネルギーは
灯りは
なんのためにそこまで明るい
....
私の脳みそは
思い出をすぐ灰にしてしまう
灰色の味のないフォトスクリーンは
過去を形にするけど
そこには色彩も
感情も
何もないものになっている
眺めるにふさわしい鑑賞物へ
美 ....
窓を割り突き刺し差し込む光に
ほわりと光る蓮を見た
想うだけは許された範囲で済み
あなたは
夢想に出てくるはずもない常識さを纏っている
一人床の中で倒れ伏して
未だ停滞した空気の中で
....
息ができるはずもないのに
水に飛び込み 泡を纏って
そのまま底に沈んでしまった
かえりみられない寂しさよ
裏付けのない悲しさよ
私の身体よ
波の少ない底の 底の色
そんなにも ....
あなたを流した
消えた名残を惜しむのか
排水口に吸い込まれる水をじっと見てる
香り残した冷えたベッドに飛び込んで
一日中寝ていたい
あたしを救うって約束して
きっといつか迎えるって
....
溺れている
心しおれている
腐れ落ちた視界
遊びのなくなった頭の中
キシキシの頭の中
窓に見る古びた老人の顔
私の鏡に不健康な女の顔
吐き捨てられたつぶやき
昔の人 しな ....
憂き雨
ぱらぱらと
はねる雫を
うっとおしく思い
引き網
ピチピチと
跳ねる鱗を
うっとおしく思い
けったくそ悪い匂いだと 何十年も感じて育った
実入りの悪い商売だと 何年も ....
人間は食わねばならぬ
噛み砕き、その咀嚼を、胃に流さねばならぬ
それは唯一の生き延びる方法なのだと知って
それはきっと、ずっと前から決まったことで
それでもがっくしと肩を落とし
ステ ....
ストーブはスチームを出し水が必要
飲み水を分け与える
まるで何かを育てているようだ
ストーブの火力に
寄りかかった布団がやられた
焼け焦げた端っこ
エネルギーが強く走っている
暖 ....
しゅんしゅんと音を出すヤカン
熱のこもった部屋
薬瓶をシャカシャカ振る
飲もうか飲まないか
この症状を誰に伝えよう
熱をあげている
証明できるせっかくの機会。
教えようか教えまいか
....
深海魚
夜の深海魚
夜中の深海魚
もしくは陽光を浴びない魚
陽光が嫌いな魚
浴びれない魚
何を思って夜の底
そこの地は冷たかろ
ここの水先案内人
ちらちら揺れる灯迷い人誘う
....
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