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傘に落ちるのは
こぼれた星のたね
空の雨漏りの下を
拾いながら歩く
雲の上で一生懸命
修理しているのは
虹の子供たち
ひとつ静かに夜を追いかけて
月明かりが映す山並みを眺め
青い風をすっぽりかぶり
キンポウゲの布団で眠る
横を向けば金色の海
ミツバチの足跡に残る
甘い香りが懐かしく
雲が急ぎ足で去り
....
虹の女神イリスが
一人ぼっちの妖精に
虹の刺繍糸で編んだ
ドレスを着せて笑った
地上に降りた妖精は
刺繍糸を一本だけ
すっーと抜いて
オタマジャクシが集まる
楽しい池の畔に挿した
....
ヒメウツギが
今日は結婚式よと言ってる
森のシャンデリアのように
白く明るく温かな
お祝いの言葉のように
ヒメウツギが
あなたの心を見ている
森の石鹸のように
白く光っている
く ....
星になった子供たちが遊んでる
くるくるとメリーゴーランド
ぐるぐると綿アメ
ミラクルな夢が永遠に回る
宇宙の空にも夏が見える
土星は祭りの季節
タイツリソウの妖精も
自慢のイヤリングを並 ....
天の川から
星がこぼれる夜
拾い集める妖精は
いつしか
ホタルのように
花の中で眠る
ベルが聞こえる
遠いところから
逢えないあなたの
声だけが届く
陽が長くなって
春が短くなっ ....
朝焼けの地平線から
黄昏の水平線まで
絶えぬ恋の言葉を
青空に書き続けた
空はいつでも心の黒板
まだ残るあの熱く
薄紅色に擦った雲は
天使の黒板消しのあと
淡く赤く
想い出のような
タイムの花が咲いた
妖精の足音が聞こえる
密やかに
ハープの音のように
私は眠れない星の子供
窓を少し空けたまま
香りをひとりじめして
夢の入り口を ....
雨上がりの夜
羽根を広げ
月の光をあつめて
命の継ぎ足しをする妖精
丸い雫がいくつも
次から次へと
クレマチスの葉に
泣いてるように流れていく
あした咲く花の色は
今夜の妖精 ....
大勢の人と一緒に
私の森へ登ってくるあなた
もう忘れたでしょうね
一緒に遊んだのは小さなころ
あなたが空海の名前で
高野山に来ることは
胡桃の預言書で知っていた
小さかったまおちゃん
....
待ちくたびれて
恋も忘れて
宇宙の底に潜る
小さな恋の泡が
時おり漏れて
魂のように光り
誰か捕まえてと願う
静かに一羽の鳩が
宇宙を飛んでいく
白い心で泳ぐように
蟹の泡を咥えて ....
砂時計のように
涙が永久に流れ落ちていた
別れの辛さを覚えたから
再び逢えたこの喜びは
時間をハサミで切るように
すべてがキスから始まる
ハンカチが咲いたよ
あの日涙を拭いた白い ....
陽に透けて
赤い花は林檎
羽根がゆっくりと
林檎うさぎのように
開いて跳んでいく
甘い気配を風に混ぜ
練り香水を作っては
蜜蜂に配ってる
止まってるよと言って
時間の妖精が
両手で巻いてくれる
たくさん巻いて
時間の貯金をしてくれる
私は約束する
こんどは上手に使うよと
錆びかけたゼンマイに
妖精の涙が落ちた
....