すべてのおすすめ
ひとは切なくなりたくて
生身のひきだし持ちたくなる
それは薬にも毒にもなるけれど
愛とか恋とか呼ばれたりしている
新緑もやや落ち着いて
季節の陰を染めています
....
例えば僕が死んだなら
あの娘はどんな顔するだろう
例えば僕が死んだなら
あの人はどう思うだろう
例えば僕が死んだなら
あいつは喜ぶだろうか
例えば僕が死んだなら
あの娘は泣い ....
あなたがいた
ある午後のことを
ただ
あおいビー玉と
して
ふと
体をわるものと認めたら大人になり
わるさがすでにこころに及んでいることに
気付くころには、あ、 ....
部屋の机の上に飾られた写真立てに
うっすらと積もった埃をなぞって
ここで過ごした時の長さを思った
写真の中の笑顔はそのままに
もうずいぶんと遠くに来てしまったような
そんな気が ....
大きなカエル
に
なるまえに
大きなおたまじゃくし
が
処分されました
ひとりの犬
も
処分されました
けっこう平気みたい
みんなけっこう
クールだね
ぼくはひとから無力だといわれたので
無力をぶきにしてみました
みんなが笑いました
無力をぶきにすると
ひとを笑わせられることをしりました
神さまありがとう
ぼくにともだちをくれて
あ、 ....
陽がのぼることをよろこぶ彼女は
しろい色したどうぶつだ
泣き顔がうつくしいと言ったのは
まぎれもない事実だよ
うまれた瞬間そう感じたんだ
ほしがうまれてしんでゆく
ぼくが手をつなげない ....
そっと でいいから
ふれてみたい
あなたの零した一雫のわけを
どこから
流れてきたのですか
まりのような白い雲が
あちこち 漂っている
空なのに
雪解け水が激しく流れる季節は
....
裏通りに 傾いた陽が落ちてくる頃
放課後の声たちが 初夏の帯にのって
泳いでくる
バギーの乗客を覗いて
ほんのり口角を上げて
青いランドセルが追い越してゆく
まだかたそうなランドセル
さ ....
からからからから空回り
足元には注意して
いたずらな子悪魔は
いつも隙をねらってる
この想い
言葉に直せるほど
まだ消化できないよ
鮮やかなフレーズよ
舞い散 ....
空を見上げると
あまりに星がたくさん瞬いていて
まるで降ってきそうだと思っていたら
降ってきた
星はぷよぷよしていて
僕の手の中でもしっかりと輝いていた
もっと大きなものだ ....
夜を巡り
たどり着く
君の皮膚と薄皮一枚の距離
この夜を巡って
法華経を読経する
自死した 君や
見ず知らずの 霊に
夜の底で 親しく
妙に明るい 死者の森を
読経しなが ....
しらないあいだにすてられて
みえないものがおおかった
はるになったらあえるのよって
あうひとみんながいってたけれど
くつをなくしてしまったから
ふねにのれないでいた
しんわ ....
みち子さん 私は忘れない
あなたの白無垢が 石炭色に染まった日を
あの日 あなたは
彼といっしょに 旭岳のてっぺんに たどりつき
おにぎりを広げたときよりも
もっと高い山の頂にいた
....
なにもない場所をわたっていく
すーいすーいとわたっていく
今しも水面下では熾烈な争いが
繰り広げられていることも知らずに
アメンボだからしょうがねぇや
濃いも薄いもオレにはわかん ....
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る
ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い
ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
....
父の古くからの友人Kさんが亡くなった
現場仕事で足を滑らせて
屋根から落ちてしまったのだという
一人で作業をしていたので発見が遅れたのだとか
うちからは遠く離れた岡山県の端の方での出来事
....
無機質な
声が告げる
今日という
一つの時間の死を
抱き締める
さようならを
伝える 前に
過ぎ去って行く
一つの小さな
小さな 死を
抱き締める
....
ハジメの一色は
空と同じ水色で
それを見つけた
他の色が
相談しながら
決めた7色。
雨上がりに
よく現れるのは
皆が空を見上げる回数が
増えるか ....
一週間前に
吐いた言葉はもう
枯れて
愛されたいと叫んだ意味も
最早
分かりはしない
雨上がり 水溜まり
映る影模様
幾何学的に揺れて
意味を探してる
今の ....
愛を一滴馴染ませて
晴れ桜 袂に滲む掬い人
花屑浮かび詠み返す歌
流れゆく詩達 恋の行方の様に
“さよなら”を知らない
湖に沈む月に咲く子供達
綺麗な形を愛と呼ぶ
水底に流るる ....
彼の乗った船が エーゲ海で消えた
滅多にあることでも ない
彼の乗った船が エーゲ海で消えた
遠州浜の海岸線は 遠い砂浜
波に運ばれる 白い砂と 生き物 ....
珈琲牛乳の色をした空には
夜と朝とが 文字通りに交じり合う
季節はそこに存在する唯一つの風景だ
一年、二年、三年、と
過ぎ去った時間の数を数えているのだが
両手だけでは足りない ....
嗚呼、空だ
空だけが、ある
この視界を埋めるのは
ただ唯一の空だ
嗚呼、なんて重い
この一つの体で支えるには
なんて重い
体中が大地に縛り付けられて
気づかぬうちに ....
はるのおなかが
ぷっくりふくらんでいるのは
ぼくがそのなかで
ぐうぐうねむっているから
だけど
はるのおなかは
とってもひろい
だからみんなで
ねむりにくる
たくさん ....
恋はだめだ もうだめだ わかっちゃいない もうだめだ
ともかく恋などもうだめだ 恋してみたくなるものか
恋はだめだ もうだめだ 光っちゃいない もうだめだ
恋などきっと もうだめだ 許して ....
生きていることが
馬鹿らしいと
気づいてしまうときがある
君を想うと
あたまの中、
君の声と笑顔と口癖としぐさでいっぱいになって
少しの間
それを忘れる
....
草花が咲いて
古いバラの木がアーチに寄りかかり
向かい合った椅子には
誰も座っていないのに
まるで
それで満足しているかのように
風に吹かれている
桜の木の枝に
桃色の気配が
漂いはじめる
艶かしさ
と
清らかさ
の
境目を
見せない
おんなの粋を
桜の妖精は
知っている
春の気配と
雨の後の湿り気の中で
....
ピンクの頭を描きました
その中に
緑の脳を描きましょう
紫の右目
左目は見えません
黄色い御鼻
黒い唇
滴る透明の血
宇宙を掴む大きな手
しゃぶりつきたくな ....
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