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言えなかったままの気持ちが
寂しくならないように
溜め息でリボンを掛けた
悔やんだり喚いたり
全然綺麗じゃないのに
どうして思い出は
心の中で生まれるの
酷かった言葉も
醜かっ ....
ストローに残る
赤い口紅を見て
恋だと思った
消え方を知らない
炎のように燃えて
傷跡みたいな印を
痛々しく刻むから
扉を閉めたんだ
心のいちばん深い場所で
息をしていると
....
失敗ばかりした
分析などしない
理由は幾つもあるから
その割れた風船を
腰に結んで
風を待っても
飛べるはずがない
この先
過去に戻れなくても
忘れ物はしたくない
だか ....
あてもなく歩く
ただ空を見上げて
吐き出す
息の白さが
そのまま雲に
届いて
靴紐みたいに
解けそうになる
首に巻いた
マフラーは
時計の針と
同じ方向で
一歩 ....
朝が来て
夜が来て
そのどちらにも
間に合わなくて
花だったら
咲いたら散れる
氷だったら
溶けたら溢れる
寂しくても
役に立たなくても
きっと側にいる
こんなに離れ ....
言いたかったこと
言えなかったこと
音を持つ前に
雨に戻して
あなたの頬を
優しく歩きたい
そっと拭う仕草で
嫌われても
透明な傷跡に
責任を持ちたくて
もうとっくに
....
白髪を染めたら
黒髪に戻る
私が生まれた日
まだ何も信じていない
偽りの色で
描いた未来が
美しく見えた
それは黒い魔法の中で
髪を揺らして進むこと
あの頃のように
夜 ....
あなたと離れてから
全力で生きるのをやめた
どうせもう笑えないし
涙の落ちる場所に
羽根を置いて貰えないから
黒いコートを羽織った
カラスみたいに
冷たい手を出して
はしご ....
空が青いこと
水が冷たいこと
人が笑っていること
急に寒かったり
季節が隣で
急いでしまうこと
優しさの前で
戸惑う誰かの
ボタンが光ること
細かいもの全てが
クリスマスに
飾れ ....
麦わら帽子を頭に乗せると
水平線から陽が昇る
少しの風など相手にもせずに
そうやって高い場所を探した
空気が薄くなり
どんな言葉も丸くなる
天国の途中で
ビルの屋上に名前を置いたら
....
古傷を隠した真ん中に
君の指先が届いた日
もう崩れても良いと思った
痛々しく泣いて
少しも動けないはずなのに
君の吐く息で
飛んでいける気がした
恋をすると
皮膚は薄くなり
僕たちの ....
耳の奥
誰も追い駆けて来ない場所に
音楽は流れ始める
好きな季節に
理由など聞かないで
無意識の中に
溶けてく気持ちが
虹色の服に着替えている
敵も味方も分からずに
優しさを遠慮なく ....
この手は拒まない
例えば冬の凍て付く月を
耳たぶに飾って光るなら
夜しか生まれずに爪を渡る
明日はきっと
何も聴こえなくなって
心だけで
叫ぶでしょう
この部屋は狭くて
一人用のベッドだから
一人分の夢を見て
落ちてゆけば良い
明日という言葉が
魚の骨のように
引っ掛かる
ここはどこだろうと
足の指で毛布を探るとき
寒さ ....
さよならが
別々の未来を用意したから
噴水の先は割れてゆく
同じ場所に立って
見ていた景色を
誰かに返さなくちゃ
分かっているのに
譲れない道みたいに
明日は居場所を探して
ひとりで ....
花は枯れてゆく
虫は絶えてゆく
人はそれを見て
強く生きてゆく
命が歯痒く
網戸を閉めても
自分の中に明日を描く
背ばかり伸びて
夢に届きそうな朝は
肩が広かったら
庭を作りたい
....
ジーンズの色が落ちるように
あなたの気持ちが誰かに移る
冷静な自分で食い止めていた
さよならに沈む明日の島が
人気のない寂しさを生んで
会話に釣り銭を求めている
あなたがいないから
ポケ ....
お土産もないのに
何故だか安心してしまう
帰るだけの道に
口笛を外れたメロディが
天使の輪っかを逆さまにすると
雨が降り始めて足を止めた
屋根が欲しいなトタンで良いから
ついでに君の家を ....
言葉を覚えたのに
伝えられないこともあるよ
困らせるのが嫌だから
私の存在がただ余るだけ
起きてしまう心に宿題を
貰えたらきっと眠らずに済む
人は花のために優しくなれる
人は人のために寂 ....
溜め息で割れるほど壊れやすい
チョコレートの鏡は青春みたい
甘く溶けていく間に消えて
胃の中で重さを感じるから
戻ることのできない後悔を
虫歯が痛み出して始めるの
あの人の笑顔 ....
褒められても
けなされても笑った
誰かの声が
肌に触れるなら
くすぐったくて
逃れようもなくて
その場を離れる
尻尾が欲しい
みんなが乗ってる
車みたいに
同じ速さで
動くも ....
曖昧な返事をした
優しさのつもりで
誰かに希望を残す自分を
果てしなく広がる空が見ている
恥ずかしくなって
雨も降らないのに
傘を差しながら隠れた場所で
小さくなるほどうずく ....
眠ることが
難しい夜に
錠剤を飲んで
心で溶かす
落ち着くようにと
処方された時間を
私のために
使ってくれる人
先に夜の歯車に
挟まれて
君を置いて行く
かも知れな ....